NEWS

NEWS No.17015-8「テラダモケイ+ TERADAMOKEIの現在展」

2017.03.04

テラダモケイ+ TERADAMOKEIの現在展

自分を「面」として、考えるのは難しい。1日のほとんどの時間、自分を「点」として考える。そう、自分は点だと思う。それを繰り返す訳だから、自分は点と思い込む。ただ、時々自分は「面」だと感じる時がある。それは自分を俯瞰して見られる時だと思う。そのきっかけとして、僕は「模型」づくりがあると思うのだ。唐突な発想かもしれないが。

僕が小学生から中学生くらいまでは模型、いわゆるプラモデルをよく作っていた。今のマルチメディア・ゲーム機ぐらい一般的な遊びだった。もちろん、当時は自分が点だとか面だとか小難しいことを考えて作っていた訳ではない。ただ、楽しかった。その気持ちを今、ふるかえると模型を作ることは「世界」を作る(触れる)こと。それが、楽しかったと思う。例えば、飛行機という実際に存在する高度なメカニックを、模型という形で自分で作る。そして、それが実際に活躍するところ想像する。そこに大きな内面の充実があったし、社会という「面」に対して自分がつながりがあるうに感じられた。

模型、そこから生まれるミニチュアの世界。なんとも魅力的だ。自分が小人の国に来たガリバーのような気分、または自分がその模型の「世界」を自分がつくりあげたクリエイターのような気分。それは自分が「点」ではなく「面」として世界に接することができる。

テラダモケイの作り出す模型はユニーク。それはさまざな「場面」を模型にして販売している。はじまりは、自分たちの設計事務所でお客さんに説明するために模型(建築物などの)に添えるアクセサリーとして制作していたという。それを展覧会に出品したところ、反響は大きかったため販売。魅力的でユーモアのあるラインナップが充実。もとは建築業界のツールだが、建築関係以外の方が買い求めることが多いという。

わざわざ未完成なものを購入する「模型」という趣味。それには、一人で淡々とおこなう作業というイメージだけど、実は内面を通じて世界とコミニュケーションしている。だから、模型づくりは楽しいのだ。

ishikawa

Text by
アート・メディアライター  石 川 伸 一 (NUMERO DEUX)

「テラダモケイ+ TERADAMOKEIの現在展」
会期:2017年1月26日(木)~3月7日(火)
会場:グランビスタギャラリー サッポロ(札幌グランドホテル1F)

 

 


ARTICLE

CATEGORY

LATEST ENTRIES

ARCHIVES

CLASSIC CONTENTS

website design by shie sato

SAPPORO ART & DESIGN MAGAZINE NUMERO DEUX 札幌 アート&デザインマガジン ニュメロデュー

copyright @ NUMERO DEUX allrights reserved.
top