「デザイン」って、なにかといえばコミニュケーション。
つまり、人前で話すのと同じこと。
それを、身だしなみや態度や口調ではなく、
図案や文字を使って伝えてみる、ということなんだ。
伊達市の市民活動センターでデザインの講座があるので、
登別から夕方、JRで行ってみたよ。車はやめてみた。
降りる駅は伊達紋別駅なんだけど、学生さんがみんな降りるので、
つられて北舟岡駅で降りてしまった。
噂には聞いていたけど海が目の前にひろがる無人駅。素敵だったなぁ。
そこから、西日を浴びながら30分くらい住宅街を歩いたよ。閑静な場所で、
ニュータウンのような感じ。自然食品系のちいさなお店がいくつかあったのが印象に残ってる。
トラブルだったけど、
まちを歩くと、まちがわかる。
楽しい経験だった。
講師の目線が近い。
北海道伊達市にて魅力的な市民講座が開催されたよ。テーマはデザイン。市民活動や、専門家ではないが仕事でチラシづくりや宣伝をする必要のある方にむけた内容。講師が市民活動支援員自身というのもユニーク。講師にプロのデザイナーもいいけど、より視線の近い支援員さん自身がおこなうのもとっても良い。なぜなら、参加者の環境や力の入れ方について、一番理解している立場だと思うからね。限られた環境の中でつくる、というセンスも大事だし、素人なりのデザインというのもありだと思うんだ。
ttemiyo
つなぐサークル
本講座の主催はttemiyo(テミヨー)。月に1回程度は「~しテミヨー」(してみようー)を合言葉に、気軽に楽しく参加できる文化・芸術的な講座からヨガなど体を動かすワークショップ、アウトドアな企画もおこなっている。2年前から活動を開始した伊達市の市民活動サークルなんだ。
代表は四戸幸穂(しのへさちほ)さん。こうしたサークルでジャンルを限定せず活動しているのは珍しいのではないかな。企画の魅力に加えて、地域の「人と人」をつなぐハブ(連結器)として役割にも注目したい。
ホント、人って簡単なことでつながるのだけど、
その簡単なことが難しい。
軽やかにトライしているテミヨーに注目しよう。参加してみよう。
ttemiyo(テミヨー)の最新情報はこちらから
https://www.facebook.com/ttemiyo/
本講座のゲストとして、伊達市の「地域のためのデザイン」をテーマにするデザインサークル「AADDLLSS (アドルス)」も講義をサポートしていたよ。
本サークルは、伊達市でのさまざまなまちづくりや市民活動等に関するデザイン、アートディレクションをおこなっている地域の力強い味方なんだ。
例えば、ごく普通の市民活動をしている人がチラシとかロゴをいきなりデザイン会社なり、フリーランスのデザイナーに発注することって敷居が高いと思うんだよね。デザイン会社自体も素人さんからの相談には不慣れなところもある。
その点、AADDLLSS が「有償ボランティア」という立場を明確にしているのはユニークだし、とってもいいと思う。ただの無料奉仕だと、続けるのが難しい、相談するほうも有償のほうがスッキリすると思うんだ。お互い気持ちよくなる。
僕はこういったスタンスのグループがまちにひとつあったらとってもいいと思う。まちづくりのプラスになると思う。デザインって、コミニュケーションだしね。
「AADDLLSS (アドルス)」についての最新情報はこちら
https://aaddllss.work/
▲AADDLLSS (アドルス)」の方々と、一番右のおまけ石川。
僕もデザインについて、少しお話させていただきました。
講義は市民活動支援員の寺島寛さんがプロジェクターのスライドを説明しながらサクサク進む。テミヨーの代表四戸さんが参加者をもりあげつつ進行していったよ。
具体的には、市民活動のチラシのデザイン案からはじまって、進んでいった。最初に説明があったけど、本講座ではデザインするための、パソコンのアプリケーションのソフトの使い方などは教えないんだ。
その理由は、良いデザインの理屈がわからないまま、アプリの使い方だけおぼえてもいいデザインは作れないから。結局、まわり道になってしまう。
デザインというのは自分のためにするものではない。人に伝える技術なんだ。いくらデザインのソフトが使いこなせても、できあがったデザインが人に伝わらなかったら意味がない。
今のデザインのソフトはどんどん高性能になっているけど、伝わりやすいデザインが作りやすいかは別問題なんだ。
高度な機能を使ってもデザインが良いとは限らない。もっと未来になったら、AIで良いデザイン、悪いデザインが判断して、作成できるアプリケーションができるかもね。
本講座のポイントとして感じたのは2点。デザインのソフトの操作を学ぶ前に、デザインの注意点を学ぶこと。もうひとつは、インターネットでいろいろな見本となるべきデザインを見て勉強すること。とりあえず解像度の低い写真を使うと寺島さんに激怒されるんだ。
質問の答えにローラ登場
講義の中でいろいろ参加者の方から質問が出たよ。その様子を紹介するよ。
室蘭でベーカリーをやられている方より「値段や説明のメニューの表示のデザインについて、アドバイスを欲しい」という質問がありました。
これに対してアドルスの方が「安さを売りにするなら、値段は大きくすべき。ただベーカリーをなさっていることは、値段より質でこだわりを持っていると思いますから、メニューの説明を中心にしたほうがいい。値段は小さくでいいと思います」という回答だったよ。
もうひとつ「講演会のチラシづくりに悩んでいる」という質問には「講演をする人が、かなり有名人、例えばローラだったら、名前を大きくだせば、それだけで効果が高い」と寺島さんが答えたよ。
デザインというのは図案だけではなくて、限られたチラシの中で言葉もどう選択して、表現していくか、というのも大切なデザインの考え方なんだ。適切ば回答でした。なぜローラなんだろうと思ったよ。寺島さんファンなのかしら。伊達にローラくると楽しいね。
講義の最初に市民活動の話があって、講師の寺島さんは市民活動とは、人が集まり、それは誰もが参加可能性のあるサークルなら、集まってお酒を楽しむのも市民活動だと考えると、話をしてくれたよ。
それに僕は賛成だ。僕自身はお酒が飲めないので、お酒を楽しむサークルには入れないけど、市民活動では実は一番大切なのは地域の人が顔見知りになる、ということだと思うんだ。市民活動って、なんか公益的とか、スポーツ、芸術・文化的なことに限定する意味はないと思う。ただ、常識的な集まりであればいい。
もちろん、好きなことを突き詰めたサークルもあってもいいし、とっても気軽なあつまりでも、どちらがあってもいいよね。自分の好きなサークルを選ぶ選択肢はいっぱいあったほうが楽しい。
伊達市のシビックプライド
写真は会場の「伊達市民活動センター」。市役所に隣接した新しくきれいな建物だね。デザインは武家から着想を得た形ではないかなと思ったよ。こういったデザインは本州では結構あると思うけど、北海道ではとっても珍しいね。
なぜかといえば、道内大部分の場所は明治以降に江戸時代から新しい日本政府が主導した屯田兵や民間の開拓者が切り開いている。だから、武家というルーツを表に出す地域って少ないと思うんだ。(開拓者に元武士は多かったとは思うのだけど)。
ところが、伊達市は仙台藩一門亘理(伊達政宗の親類)領主伊達邦成とその家臣達の集団移住で開拓したという独自の歴史がある。
殿様と家臣が一緒に開拓したまちという想いが、今もまち全体が武家のモチーフによって建物がデザインされている。これは伊達市にはじめて来たときからずっと印象に残っている。公的な建物から民間の建物もそうなんだ。
これがシビックプライド(都市に対する誇りや愛着)にもなっていて、それが寺島さんらユニークな市民活動支援員、テミヨーやアドルスのようなサークルを生み出す原動力なのかなと感じた。
一番大事なのは気持ちだよね。
今回のデザインの講座は、写真、SNSに続く全3回の講座。市民にむけて、こうしたクリエイティヴのとっかかりになる講座はとってもいいと思った。写真やデザインなどのクリエイティヴって、その時代の技術発展やトレンドもあるから、そういった情報も入れて、またおこなって欲しいと思ったよ。
帰りは車の予定だったのだけど、JRにしてみた。
特急で東室蘭駅まで760円(普通列車だと450円)
旅行基気分で楽しかった。
JRと歩きでは、伊達というまちが身近に感じたよ。
テミヨー2周年記念!
今どきの情報発信とコミュニティのエキスパートに聞く「情報発信講座」
(3週連続・全3回)
第3回目「チラシやポスター、デザインの基本のそのまた手前」
日 時:2019年5月29日(水)19:00~20:00
会 場:北海道伊達市市民活動センター(鹿島町20番地1)
Text by 石 川 伸 一 (NUMERO DEUX)
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