刈田順也個展 「黒い森」。元SOSO CAFEのアヤさんが運営するカフェ、CAFÉ blueで開催の展示のレビューを書きました。
自宅の寝室。深夜に目が醒める。すると視界に入るものはすべて黒かった。黒目は黒を捉えた。そして目を閉じた。もしその時、わたしが森に寝ていれば、同じくすべてが黒かっただろう。黒い木は、どこから来てどこに消えるのだろか。黒い木は黒い息を吐くのだろうか。
刈田順也によって、捉えれられた木はしっとりとマットに黒く塗られる。それは夜の時間に溶けこんだ木のようだ。そして、木のもとの形を活かし、再構築はしない。つまり木は素材ではない。木はそのままとして捉えられた木なのだ。
つまり、これはアートによる木の移植だと私は感じている。黒いのはきっと夜に森から採ってきた証拠だと私は思いたい。夜の森でそっと、木を採ってくる作家。夜に採ってみたら、夜の黒もついてきてしまったのだ。
会場ではカフェ及び隣接しているアパレルストアの空間も利用して展示されている。黒い森の中に少し遠くにみえるハイセンスなウェア。違和感だが、それは黒い森がここまで来た理由にもなる。
この森をあなたの寝室に置いてみたらどうだろうか。
夜もついてくるから。
刈田順也
1976生/札幌出身。ストリートダンサー。1999年から木彫りを始め、自然との向き合いをテーマに作品制作をしている。
刈田順也個展 「黒い森」
会期:2021.6.26 FRI 〜 2021.7.25 SUN 12:00〜20:00
(7/12・7/19・7/20は定休)
会場:CAFÉ blue(南3西8 大洋ビル駐車場の最奥)
入場料: 無料(ただし、カフェなので飲物の注文おねがいします)
Text by メディア・プランナー 石 川 伸 一 (NUMERO DEUX) Facebook / Twitter