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2014.07.19 「owtn.『owticmode.』レコ発ワンマンライブ」04′NEWS No.25

2014.07.20

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Sapporo Art & Culture NEWS 04′No.25 Report

2014.07.20
owtn.「owticmode.」レコ発ワンマンライブ
日程:2014年7月19日(土) 19:00-
会場:MUSEUM(南3東2)

「詩の朗読」+「電子音楽」それが「ポエムコア」
エレクトロニカと朗読は、想像以上に組み合わせが良い。

「ポエムコア」という音楽ジャンルがある。2009年頃からSNSを中心に生まれたもので、自作の詩を音楽に合わせて朗読するスタイルのことである。今回紹介するowtn.(オワタン)もポエムコアの表現活動するひとり。彼女は詩を書くのが好きで、将来詩の本を出版するのを夢見ながら、イベントで詩の朗読をする彼女に声をかけたのが munenoli yanoというトラックメーカー。彼によって彼女は「ポエムコア」の世界に引き込まれた。その結果、彼女の表現活動は大きく注目されるようになる。その結果、東京のレーベル「POEMCORE TOKYO」のオーナーBOOLにアルバム制作の話を持ち込まれた。彼女はその話を承諾し、munenoli yanoの曲によって今回のアルバムCD「owticmode.」をリリース。今回、札幌にあるアーティスト・ストア「MUSEUM」にて、週末の夜に初のインストアライブが開催された。

楽屋にて。

ライブの10分前。楽屋にいる彼女に話を聞いてみた。ライブ直前のアーティストは神経質な場合が多い。しかし、彼女はそういったことを感じさせない楽しい会話をしてくれた。「出番をエクレアを食べながら待ってます。甘いものが大好きなんです」。詩はすべて彼女のオリジナル。その発想は日常的なことから生まれ、そこに思わせぶりな感じを加えるという。ゲーム機のプレーステーション3を擬人化した詩もあるという。はじめてのインストアライブということで最初は緊張していたらしいが、リハーサルがとても楽しく、今はリラックスしているようだ。最後にライブ会場であるMUSEUMについて聞いてみる。「古い建物をリノベーションしていて、柱に昔の人を書いた文字があります。それはとても素敵だと思いました」。「詩」=「文字」にこだわる彼女らしい感想だと思う。そして、楽屋を後にする。

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はじまるパフォーマンス

ライブが始まった。ライブセットはインスト音源に彼女が詩の朗読を重ねるシンプルなもの。観客との距離も近い。そのためか、最初は緊張しているようだったが曲が進むにつれて、緊張もほぐれたようで、MCを挟みながら1時間弱のライブステージが続いた。

僕は「ポエムコア」というジャンル自体がはじめてのライブ経験だった。まず、munenoli yanoの作り出す音がエレクトロニクスサウンドとして控えながら洗練されており、アルバムも飽きさせない曲構成になっている。詩も無理せず、等身大の彼女のアイディアから生まれた頭に入りやすい内容であり、これからの成長も楽しみだ。自然体のスタイルが魅力的だといえる。さらに、エレクトロニカには歌い上げる「ヴォーカル」ではなく「朗読」(リーディング)」の組み合わせには、予想以上に新しいサウンドスタイルの可能性を感じさせてくれる。曲に朗読を重ねる、という技法自体は昔からあるのものである。

しかし、これがエレクトロニカと組み合わせた「ポエムコア」というカテゴリーで、ひとつの文化として定着していくと、彼女のような存在が生まれてくるユニークさがある。彼女の表現のキッカケがあくまで「歌う」ことではなく「詩を書く」というところからはじまっているのも興味深い。owtn.そして、ポエムコアは今後の動向が気になるジャンルである。あなたのその世界を聴いてみては?

owtn owticmode
owtn. / owticmode.
released 30 November 2013
all lyrics written by owtn. / all tracks made by munenoli yano
Illustrated by miku as kodomo-club
POEM CORE TOKYO

Text & Photo by Shinichi Ishikawa(NUMERO DEUX)

 


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