Sapporo Art & Culture NEWS 04′No.26 Report
札幌のアートやカルチャーに関するニュース
2014.07.27
“NEVER MIND THE BOOKS 2014″
日程:2014年7月21日(月)
会場:さっぽろテレビ塔2F(札幌市中央区大通西1丁目)
気にしないで作る、気になる発行物。
「ジーン」を見る・買う・読む 楽しみ。
「ジーン」って何?
「ジーン」をを知ってるだろうか?簡単に説明すると、個人、もしくは仲間内で制作した小冊子のことである。「リトルプレス」とも呼ばれる。テーマは自由だが、アートやデザイン、カルチャーに関したものが多い。同人誌やミニコミ誌に似ていると思う。ジーンは一般の書店に流通することは少なく、専門的な書店やカフェ、セレクト・ショップ、インターネット等で販売されること多い。札幌ではトロニカという古書店で扱っている。
“NEVER MIND THE BOOKS 2014″
札幌発の「ジーン」展示販売会
今回取材した“NEVER MIND THE BOOKS 2014″とは、札幌発のジーンの展示販売会である。2011年より札幌にて有志4人のグラフィックデザイナーによってはじまった企画。ウェブやフライヤー等で参加者を募集し、ジーンの発行人たちが有料でブースを借りて展示販売をおこなう。参加者はプロ、アマチュアを問わない。見たり買いに来たりする人の入場は無料。ジーンに関するワークショップも開催される。
今回3回目が札幌テレビ塔のイベントスペースにて祝日・海の日に開催された。今回は50組の出品者。個人や小規模なグループが大部分だが、デザイン学校のグループや古書店やギャラリー、企業の参加もある。また今回は福岡「 10ZINE」、浜松「 ZING」といった道外の参加もあった。ワークショップ「勝手にNMTBのZINEをつくろう!」「zineを入れるのにちょうどいいポシェットをつくる会」も実施された。
感想としては、会場は多数の出品者のため見応えはたっぷりだし、ジーン制作者の熱気のようなものも感じられて楽しい。やはりイベントのライブ感というのは大事なものだと思う。同じクリエイティヴの志をもつ空間に集るのは価値がある。
インターネット、電子書籍の登場によって「紙」の発行物の淘汰がはじまったのはたしか。でも、逆に「ジーン」という分野はそれによって価値が上がっていくと思う。「ジーン」のようなオリジナリティで勝負するすりメディアにとっては「紙」という部分が大切なクリエイティヴを発揮させる部分なのだ。インターネット上で入稿・納品できる安い印刷業者の出現によって全国的にジーンをつくりやすくなっている事実もある。
NEVER MIND THE BOOKS はアマチュアには、大切な自分の表現を発表する場所であるし、プロにとっても普段n仕事では難しい自分のクイエティヴを発揮できる場所だと思う。今後も札幌のクリエイティヴの「お祭り」として、発展していってほしい。
Text & Photo by Shinichi Ishikawa(NUMERO DEUX)