■ 「X」のある空間、「X」のためのデザイン
前田弘志:ICCのビジュアルデザイン10年展
会 期:2010年2月9日(火)~27日(土)
会 場:第一会場 札幌アリアンス・フランセーズ・ギャラリー(南2西5)
第二会場 インタークロス・クリエイティブ・センター(豊平区豊平1-12-1‐12)
料 金:無 料
グラフィック・デザインには必ず、その背後に表現したい「意味」がある。それを考えながらデザインを観ると、よりおもしろい。
札幌豊平区にあるクリエイター支援施設、インタークロス・クリエイティブ・センター(ICC)。ここはクリエイターへのオフィス環境の提供から、国内外へのPRサポート、イベント企画を行なっている意欲的な「場」だ。
本ICCのロゴ等ビジュアル・デザインを行なっているのが市内在住のアート・ディレクター前田弘志。今年、ICCは10周年の節目を迎えたことから、前田弘志の手がけたビジュアルデザインのエキシビションが開催された。国内外で受賞歴のある作品群も含まれている。
前田弘志は「『X』は、ICCという場の基本コンセプトです。僕はICCのためのデザインをしているのであって、個人作品をつくっているのではありませんから、常に『X』というモチーフから外れてはならないと思っていますし、そのことを久保(俊哉。ICCチーフコーディネーター)さんはじめ関係者ともども一緒に確認し合ってきた10年だったといえるんです。」とコメントをいただいた。
会場は2つに分れていて、第1会場は大通方面のアリアンス・フランセーズ。第2会場は、本ビジュアル・デザインの対象である豊平にあるICCである。ICCに興味のある人が見学がてらICCに足を運んでみるのもいいかもしれない。以下、第一会場の様子を紹介しよう。※なお、この会場では会期中一週ごとに展示内容が帰る予定。2/09(火)〜2/13(土) Part1 創生する「X」・2/15(月)〜2/20(土)・Part2 増殖する「X」・2/22(月)〜2/27(土) Part3 波及する「X」▼
▲ 展示された平面作品。ICCには、さまざまなクリエイターがクロスする=交差する、というところから「X」という基本コンセプトがある。そこから前田弘志のビジュアルデザインには常に「X」というモチーフがある。
▲ 本エキシビションの図録。刺激的なグラフィックス収録されている。独立したアート本としても楽しむことができそうだ。
ビジュアルデザインにこめられた「X」の意味。展示からそれを読み取ることをおすすめしたい。そうすれば、より楽しめる展示だと思う。
Photograph & Text by Shinichi Ishikawa (NUMERO DEUX)