札幌ビエンナーレ・プレ企画
実行委員インタビュー001
芸術監督:端 聡(はた・さとし)
札幌初の国際的な芸術祭「札幌ビエンナーレ」を2014年開催実現のために有志による「札幌ビエンナーレ・プレ企画実行委員会」が結成され、第一弾として、今年4月に北海道立近代美術館で9日間(4/2-4/10)展覧会が開催される予定だ。1月14日の企画制作委員会の打ち合わせにて、話し合いが始まる少し前、本企画の芸術監督 端 聡に現在の状況についてお話を聞いてみた。
『札幌ビエンナーレ・プレは「美術界」を超えたひろがりのある企画なんです』
Interview with Satoshi Hata
昨年12月16日にキックオフパーティにて今年4月に近美(北海道立近代美術館)と11月に芸森(札幌芸術の森)でプレ企画をやるということを正式に発表したので、まず取り組んでいるのは4月の近美の企画ですね。作業のためお正月もほぼない感じでした(笑)。内容としては参加アーティストの選定を中心に進めています。僕の立場は芸術監督で、最終的な展覧会構成のまとめ役ですので、キュレーターたちから元気のいい意見をどんどん出しもらって、皆で協議しながら、アーティストの提案を行っています。「全方位」という企画テーマにフィットしたアーティストが決まってきていますよ。楽しみにしてください。
札幌ビエンナーレ・プレの企画実行委員会は、運営委員会と企画制作委員会の二つがあります。前者は運営全般および財務や広報の仕事をしています。後者は展示などの表現内容について考えています。実行委員は定期的な打ち合わせや、メーリングリストで活動を進めています。
僕はここ15年間、年に10回以上アートの企画をやってきました。例えば北海道立近代美術館などでFIX・MIX・MAX!という企画をやっています。それらはあくまで「美術界」という中での活動でした。でも、札幌ビエンナーレ・プレでは「美術界」と「経済界」そして「行政」との連携も考えながら進めていく企画です。それはスケールの大きい僕の体験したことのない大きなプロジェクトなんです。
「美術界」の中だけで企画をやる場合はアートの専門用語も関係者にすぐ通じます。でも、そうでない人たちと一緒に企画をやるのは、用語についていろいろ説明をしながらでないと企画を進めていけない。そのため時間がかかることはある。また、なにかを発表するのも自分だけでは決めることはできない。それらは札幌ビエンナーレ・プレが「美術界」を超えたひろがりのある企画だということなんです。「美術界」以外のいろいろな人たちと一緒に制作していく経験が、企画の表現に対するお客さんの反応についてのシミュレーションにもなるとも思っています。
本企画は、まるで生き物のように日々動いています。もちろん根本の部分は変わりませんが、細かい部分は日々変化していく。それは良いことだと思うし、エキサイティングな体験です。ただ、そのたびに書類をいろいろ書き直さないといけないのは大変ですけどね(笑)。
Photograph & Text by Shinichi Ishikawa (NUMERO DEUX)
※次回は企画実行委員長の大平具彦が登場予定です!