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NEWS No.16015 「鈴木悠哉展 “耕作と歩行 walk and cultivation”」

2016.03.01

鈴木悠哉2
NUMERO DEUX NEWS 16015 札幌のアートなニュース。

テキストは時々もどかしい。
テキスト社会を超えるランドスケープ。

「では、文章で出してください」「詳細はメールで」。毎日、世の中は、そんなやりとりが無数に積み重なっていく。なにかを進めるために必要なもの文章(テキスト)。テキストの受け手と送り手は時には入れ替わる。テキストは求められ、求めていくもの。僕はテキストの力を信じてはいる。でも、時にはテキストを超えた表現にも興味を持つ。それは、グラフィックデザインやアートに存在する。バシッとしたビジュアルの持つ力がテキストを超えるのは、実に素晴らしく、世の中の変える可能性を感じさせる。そんなことを考えながら今日も僕は街を歩く。目に入る街のピクトグラムにも自分のこうした思考は誘発される。ただ、なにかが足りない。

今回の展示には、テキストを超えたコミニュケーションの未来の(別の?)のあり方について、考えることもできるし、同時にファイン・アートとしても大変魅力ある展示だと僕は感じた。機能的な非言語とアート。そのゆらぎのようなところが僕の気持ちを高ぶるように動かしていく。僕はテキストを愛しているけど時には憎む。そんな、テキストに対する執着。愛憎?パラドックス?を軽々と超えたところに、鈴木悠哉の視覚的言語としてドローイングは存在しているようなに思えるのだ。

鈴木悠哉 は1983 年福島市生。現在は札幌とドイツを拠点として、国内外での企画展示等の活動を積極的におこなっている。その表現の興味は、視覚的言語としてドローイングの機能に着目している。 今回の出展作品であるドローイングのシリーズ「city language」は、街の中に潜在する記号的 な要素を、ドローイングという行為を通して抽象化、記号化し、イメージという文字形態とは 別の視覚言語の形態に翻訳するというものだという。同時に今回の展示は2012年よりドイツでの滞在やヨーロッパ各国のレジデンスプロ グラムへの参加などを通して経験した活動の成果がわかる展示になっているということだ。

会場のCAI02は、地下鉄大通駅から、西方向の出口に直結しているビルの地下にある、現代美術ギャラリー。カフェも併設されていて独立した展示室が2つある。23時までオープンしているのは市内のギャラリーでは長く、平日でもいきやすい場所である。

Text by 石 川 伸 一 (NUMERO DEUX)

鈴木悠哉展 “耕作と歩行 walk and cultivation”
会期: 2016.2.6(土)- 2.27(土)
会場 :CAI02 (中央区大通西5 昭和ビルB2)


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