NUMERO DEUX NEWS 1673-1 札幌のアートなニュース。
本当に自由研究。。
本気の自由研究。
小学校のころ自由研究というのは苦痛だった。僕の話だ。それには、いくつか言い訳がある。それはタイトルほど自由ではなかったし、そんなことより、テレビを観たかったのかもしれない。でも、先生に反抗することができず、アサガオの観察日記をつくった。なんの思い入れのないまま…
それから、いくつかの卒業アルバムを重ね、履歴書を作り長い年月がたった。不思議なことに大人なるほどクリエイティヴ、企画、表現というカタチで「自由研究」の魅力がわかってくる。ただ、残念ながら今、僕に自由研究の宿題を出す先生もいないし、とっても長い夏休みもない。残念だ。でも、続けるしかないのである。僕としては。
前田麦は1974年生まれ。札幌生まれ・在住のイラストレーター/アーティスト。アートディレクションもおこなう。2005年よりフリーランス。その表現はイラストだけではなく幅広い。そのひとつとして、リボンを動物等をモチーフにした作品リボネシアがある。さまざまな展示企画にも参加。個展は「前田麦 初個展 ” NO CONCEPT “」(2009年)から、今回7年ぶりの個展となる。
僕が前田麦に感じることは、アーティストであり「研究家」だ。彼に出会うと、いつも新しいアート作品のアイディアが聞けて楽しい。それは、身近なさまざまな素材を使って。彼は素早くプロトタイプを制作し発表する。アイディアを実体化する、というのは実に手間な作業。 ここで実際にやるか、やらないか、で大きな差が生まれると僕は思う。
前田麦はアイディアがあれば、やらずにはいられない感じが僕は好きだ。今回の展示は作品の魅力はもちろんだけど、彼のアイディアから作品までの、テンポの良い躍動を感じる。そこには実に「作りたいから、作る」というシンプルで(でも、難しい!)ことを、軽々と乗り越えた作品がある。その点はクリエイティヴの姿勢として学ぶ部分もあった。彼の自由研究は続く。僕も続けよう。
Text by
アート・メディアライター 石 川 伸 一 (NUMERO DEUX)
前田麦 exhibition「自由研究-INDEPENDENT RESERCH」
会期:2016.11.18(金)-11.27(日) 12:00-19:30
会場:space SYMBIOSIS(南2西4)
http://bakumaeda.tumblr.com/
http://www.bakumaeda.net
http://www.ribbonesia.com