「マリオン」で夕方観る。予告がおもしろそうだったので行くことにした。香港を舞台に香港警察と犯罪者とのアクション・ストーリー。逃亡した強盗団を追跡する警察。犯人グループは、巨大なアパートに立てこもる…包囲する警察。まぁ、こんな感じなところに、警察は自らこの包囲の模様をヴィデオ収録して、都合の良いところだけをメディアに情報を流す…対する犯人グループも携帯電話のカメラや立てこもり先のネットを使って反撃といった「メディア戦」が、本作のオリジナルのポイントなのだが、僕はそのあたりはインパクトは受けなかった。
印象に残ったのは「銃撃戦」のカッコ良さ。とにかくいい。勇敢ながらも、警官や犯罪者たちの「恐怖」の感情を感じさせるのがとってもいい。彼らは間違いなく人間で、ターミーネーターでもないし、普通そうで超人なブルース・ウィリスでもない。あくまで銃撃戦は「仕事のひとつ」というストイックさが出ている。ジョン・ウーのような「銃撃の美学」はなく、実にアクションは泥臭い。そこがいい。
カメラワークも独特で、僕はオープニングで、ワンカットで香港の空から、犯人グループのアジトの窓までカメラが移動するカッコ良さに参ってしまった。これほど饒舌なカメラワークはあるだろうか。一気に作品の世界に入り込んでしまった。観終わって、いろいろ思い出してみると、ラストをふくめていろいろな意図を感じさせる演出も多かった。違う観点でもう一度観たくなる作品でした。
REVIEW
映画「ブレイキング・ニュース」
2006.02.25