子供のころの仲間の思い出をテーマに描く映画がある。「甘くせつない思い出」というあたりが狙いになると思うけど、正直、僕はあんまりそこにリアリティを感じない。子供の頃のに特別なノスタルジックな感傷もない。転校が多かったからかな。それに僕にとって常に過去は最悪なのだ。
映画「ミステックリバー」では3人主人公の子供の頃の「ひとつの事件」から「現在の事件」についての話。予想に反してノスタルジックな感傷などまったくなく、僕が心配するほど冷たいトーンで話しが進行していく。
3人の主人公の配役は絶妙。ショーン・ペンはうまいけど、ちょっと目立ちすぎかな。ケヴィン・ベーコン好きです。ティム・ロビンスは、こういう役を演じるのが好きなんだろうなーと思いました。本作はサスペンス的な要素を期待すると、そこは肩すかし。何十年ぶりかに特に希望もしないのに、つながることになった3人が居心地の悪い思いをする映画です。感心したのは「3人の奥さん」の役割も実にうまく演出されていて人間「関係」ドラマが展開。ラストの解釈はいろいろできるけど、あのようなシーンをラストにするのは凄い発想だなぁと思った。