INTERVIEW

057 カフェ「DESTIJL」(2005.11.21)

2007.07.31

札幌市中央区の円山は、ゆったりとした時間の流れを感じる、居心地の良いエリア。そのためか小規模でセンスの良いカフェやレストランも多い。

アンティークショップ「プランドゥ」の1Fにカフェがオープンした。モダンなインテリア、座り心地の良いラウンジチェア…ひとりでも、友人とでもリラックスできる空間。お店の名前は「DESTIJL(デスティル)」。オーナーの成田さんのインタビューしてみた

Text by Shinichi Ishikawa.

NUMERO DEUX SPECIAL 057 Lounge Chair.
Interview with Narita Daisuke(DESTIJL)
取材日時:2005.11.21(Mon) 18:00-19:00
取材場所:DESTIJL
Interview & Photograph by Shinichi Ishikawa(NUMERO DEUX

Daisuke Narita(DESTIJL)
インタビュー:成田 大亮(デスティル)

     

—-開店までのプロフィールを教えてください

1974年札幌生まれで、大学までずっと札幌です。英文学科を卒業して、業界紙の編集の仕事に就きました。そういった仕事を選んだのは、文を書いたりするのが興味があったからです。

—-お店をやろうと思ったキッカケを教えてください?

卒業して、就職をしましたが、将来独立という想いはありました。僕は両親も自営業でして、その影響か、なんとなく自分も自営業になるんだろうなぁ、と思っていました。でも、お金がないと、お店はできないので、まず普通に就職して、お金を貯めようと思って就職したのです。いつの時点で「カフェ」をやろうと思ったかは忘れしまいました。かなり昔はクラブ・ジャズなどの音楽が好きだったので、レコード屋がいいかなと、思いました。でも専門性の高いレコード屋は札幌では難しいかな、と思ったり。いろいろ考えながら、カフェに落ち着きました。

     

—-お店がオープンするまでのことを教えてください?

働いてお金を貯めつつ、独立の準備もしようと思っていました。マネジメント的なことや、経営者の理念といったようなことを本などで多少勉強しましたが、ほとんど内装やインテリアをどうするかなど、空想をもてあそんでいました。今から考えると本当に甘かったと思います。職場は7年働いて退職しました。その後は家具探しとか、メニューなどを含めたお店の内容を固めるのに半年ぐらいかけたと思います。

その後に物件探しをしました。ツテがあった訳でもなかったので、普通に店舗に強い不動産屋さんに行きました。出店したい場所の希望は、中心部周辺の西エリア、円山方面も含めて、考えていました。探してみると自分の希望する物件は、非常に少なくて困ってしまいました。なかなか見つからなくて。探しているエリアを自分の足で、空き物件を探しもしました。8月ぐらいに、お店の家具などでお世話になっていたプランドゥさんから、お話があって結果的に1Fをお店にしていただけることになりました。そして、10月まで工事、同月中旬オープンで現在にいたっています。急な展開でしたね(笑)。

     

—-お店について、教えてください?

店名を決めるのは、オープン直前まで悩みました。「デスティル」という名前はモダニズム期のアート系雑誌のネーミングからとっています。バウハウスやモンドリアンなどとの関連もあり、店の空間イメージとも遠くないと思いまして。語感も気に入っています。
メニューはコーヒーなどのお茶からアルコール、食事まで用意しております。夕方からは、お酒と相性が良く、シェアもしていただけるような一皿ものも提供しています。紅茶については、ブランドのアイテムよりも、こだわりを持った地元の茶葉専門店さんから新鮮なものを仕入れて、お出しするようなスタイルにしています。ブレンドやエスプレッソのオーダーを受けた時は、豆を挽くことから始めます。また、主な野菜やクスクス、ハーブティーなどで積極的にオーガニック素材を取り入れています。無線LANも設けておりますので、店内でお使いになりたい方は、お気軽にお申しつけいただきたいと思います。

インテリアとしては、50年代のフランスの家具が主で、非常にレアで日本では本当に少ないものも含まれていると思います。
椅子のほとんどが、ラウンジ・チェアなのは飲食店では珍しいと思いますが、お客様の居心地の良さを優先しました。今は新品でも同じようなテイストの家具が出回っているようで、それらを使えば簡単に雰囲気を作れると思いますが、そういうお手軽をしたくなかったので、照明、小物にいたるまですべて当時のものを使っています。

自分のお店は「カフェ」と呼んでいますが、そこに強いこだわりがある訳ではなくて、僕が一番にやりたかったのが、「気持ちの良い空間」作りなんです。ただ、それだけでは、お金をいただくことができないので(笑)、カフェ的な飲食店に落ち着いたというところです。空間といっても、提供しているものやサービスも含めたトータルとしてという意味で、インテリアはその一部分にしかすぎません。
テクニック的にはまだまだ課題が多いですが、血の通ったサービスをしていきたいと思っています。24時までオープンしているのも、いつでも来れて、お茶に、食事に、お酒にいろいろな楽しみ方をしていただきたいからです。

     

—-最後に、読者にメッセージをおねがいします?

お店の雰囲気はカッコつけた感じかもしれませんが、私はある特定の方々のためのお店とか、そういう考えでやっている訳ではまったくありません。どなたでも近所の食堂のような感じで気軽に利用していただければと思います。
壁面で展示をしたり、パーティを行いたい、というご相談もお受けいたします。興味のある方はご連絡お待ちいたしております。


after Hours
店内に流れる音楽はセンス良く、さりげない。オーナーの成田氏は、以前はクラブ・ジャズのDJもしていたそうだ。店内のターン・テーブルまわりのレコードについて、聞いてみるのもいいかもしれない。

DESTIJL(デスティル)
場所:札幌市中央区南1西23丁目1-35
営業時間:11:30〜24:00(ラストオーダー23:30)
定休日:木曜(祝祭日の場合、営業)
Tel&Fax:011-616-1700


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