DVD REVIEW
「ジャーヘッド」(2005年アメリカ)
湾岸戦争を舞台にした作品。猛訓練を受けた主人公達は現地に狙撃手として送り込まれる。でも、自分たちの出番はなかなかこない。訓練、パーティ、マスコミへの対応などで時間が過ぎていく。灼熱の砂漠の中で。
この作品には戦争映画によくある「生きる」か「死ぬか」という問題は希薄に思える。あるのは自分たちに「出番がある」か「出番はないか」ということ。「出番があること」イコール「生きること」なのか。
僕たちは、いつも息をひそめて自分の「出番」を待つ毎日ではないか。そう考えると僕もジャーヘッド(ポットのように刈り上げた頭=頭が空っぽの海兵隊員)であり、世の中の出来事が砂漠の中の蜃気楼に思える。