DVD REVIEW
「ラストマン・スタンディング」(1996・アメリカ)
ギュワーンと歪んだギター、というよりノイズに近い音を聞かせるライ・クーダーによるサントラが素晴らしい。画像はセピアな色調。舞台は西部劇に出てくるような小さな町なんだけど、舞台設定がギャングの時代なんで、登場人物はスーツ、自動拳銃、車というところが新鮮に感じる。
主役のブルース・ウィルスは「ダイ・ハード」にようにグチり戦う、人間臭いキャラクターではなく、本作では殺し屋として生きてきた特殊なキャラクターを演じる。
そういう意味では観るほうが感情移入しにくいし、リアルさは希薄なんだけど、町を牛耳る2つのギャング団の間で巧みに立ち回るところが見どころ。加えて銃撃シーンのキレの良さは気持ちいい。娯楽作でもあり、ちよっと変った味もある魅力的な作品だと思う。