DVD REVIEW
「豚と軍艦」(1961・日本)
戦後それほど経ってはいない横須賀基地前のどぶ板通り。そこに住む若いヤクザ者のドラマ。米兵と飲み屋、売春婦、ヤクザ者で活気ある街を描く始まりからとってもパワフル。
ヒロインの吉村実子の存在感は現代にも通用する魅力。古臭くない。主人公、長門裕之のチンピラはカッコは良くないが存在感はある。丹波哲郎はハンサムな兄貴ヤクザであるが自分を大病だと思い込んでる設定でコミカルな演技が楽しい。登場人物がみんな貧乏から抜け出す必死感を深刻な事実として表現するだけでなく、コミカルな要素を入れて人間ドラマとしても、エンターティメントとしても見応えのある作品となっている。このパワー今の日本映画でも観てみたい。