REVIEW

法廷なき人生の法廷

2008.01.08

Farm
DVD REVIEW
「ザ・ファーム 法律事務所」(1993・アメリカ)

 アメリカの映画って「法廷もの」というのは定番だと思う。法廷での争いをテーマにした作品は多いです。普通の法廷もあるし、軍事法廷ものも結構ありますよね。それだけ裁判というものが日本に比べればずっと身近でテーマにしやすいのでしょう。
 これらの作品は、大体、不利な主人公側は努力によって有力な証拠が見つかって大逆転、という気持ち良さか、ラストに「真相」がわかってびっくり、というミステリー仕立かが魅力となります。被告と原告、本人と依頼人の関係など、ドラマになりそうな要素が多い。
 本作は、トム・クルーズ主演の法律事務所を舞台にしたサスペンス。ですが「法廷での戦い」はこの作品にはなくて、苦労して新卒で入ったトップレベルで家族的な法律事務所の隠された秘密…という感じで、話は進んでいきます。
 若く、正義感の強いクルーズに対して共演のジーン・ハックマンのベテランぶりのコントラストは良い感じ。全編に流れるピアノのサントラがとても印象的で、これを聴くのも価値あり。本作は最初に書いた、法廷ものの特徴よりも主人公のまっすぐな性格と舞台の南部の雰囲気にポイントがあってそこが楽しめる。

 


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