楽しみがひとつ減った。月刊少年マガジンに連載されていた「BECK」が終了した。平凡な高校生が、誘われてバンド活動にはまっていく。メンバーとともにデビュー、CDリリースから海外ツアーやフェスの出演までこなしていって成長していく。
僕がおもしろかったのは、バンドを取り巻く業界…インディバンドや、メジャーなバンド、フェスのプロデューサーから、レーベル、音楽誌の人間までが、その立場によって記号化・変に業界人にされることなく、それぞれの立場・利害関係を持った人物であるけど凄くフツーな感じで描かれていたこと。そのため少年たちのバンド活動と自然にリンクできるし、読者にも身近に感じられた。
業界を描くといっても、連載誌が少年誌であるためか必要以上にドロドロしないのも良かった。主人公は少年達だしね。
そのため、ちよっとできすぎのファンタジーやハッタリもあるけど、その部分が素直に夢があって楽しいし、エンターティメントになっている。メンバーの人間関係の甘酸っぱい感じのトラブルや信頼も少年誌らしくて良い。リアルさを持ちながら夢のある作品だと思う。