「イースタンプロミス」(封切り映画)
11時30分ころプルプルでカレーを食べて、その後映画でも行こうかと思った。携帯で調べてみるとスガイでクローネンバーグの新作とタイミングがいい。13時からだったので、パルコのスターバックスで、マンゴーパッションフラペチーノを飲んでみることにした。
オーダーする時、ショート、トール 、グランデ、ベンティというサイズ表記を言うとき緊張する。大体ショートがトールですけどね。最大サイズのベンティって凄そう。
クローネンバーグは、好きな監督で、きっと一般的には「ザ・フライ」が一番有名だと思う。ホラー映画の監督として知られ、ドロドロ、グチャグチャという内蔵趣味を持ちつつ、作品は常に品がある、といってヨーロッパのアート系監督のような難解さもない。このあたりカナダ出身というあたりが関係してるのかな、と僕は思っている。
ホラーといっても、クローネンバーグ自身は「ホラーを撮っている」という感覚は希薄だと思う。なにか陰謀や計画があって、それで主人公がそれに巻き込まれていく、といったパターンがあって、そういった内容が好きなのだと思う。
ここ最近の作品は、表面的な内蔵描写は影を潜めホラーともサスペンスとも分類しづらい作品を撮っている、その変化は僕は結構気に入っている。本当に自分の撮りたい映画を作っているのだなぁと思う。
「イースタンプロミス」のあらすじは、舞台は現代のロンドン。病院で働くヒロイン(ナオミ・ワッツ)はある時、妊娠した少女が運び込まれる。少女は死亡。赤ちゃんは生き残った。少女の遺品にロシア語の日記があった。その日記から、少女の親族を探そうとするが…という感じ。
SF的な「ザ・フライ」しか知らない人には、今回の「イースタンプロミス」が、ロシアン・マフィアの話だと聞くとびっくりすると思う。でも、相変らず、平凡なヒロイン(ナオミ・ワッツ)が、なんらかのトラブルに巻き込まれていくあたりや主人公ヴィゴ・モーテンセンの行動に伴うさりげない残酷シーンを観ると、決して、何でも屋の監督になった訳ではなく、本質を変えずに表現方法を変化させているクローネンバーグの手法を感じることができた。
マフィア映画というと、ゴッドファーザーをはじめひとつのジャンルとして作品数は多いけど「イースタンプロミス」はそれらに埋もれない強い印象を残す作品だと思う。作家性、というものを強く感じたひさびさの作品だった。
流れてとしては、前作の「ヒストリーオブバイオレンス」の流れを感じる作風で(主人公の俳優も同じ)で、クローネンバーグもメジャー感のある新しいスタイルを確立したかな、という印象を持った。結構、おすすめです。