FIlm Review
「地獄で眠れ」(1984)
チャールズ・ブロンソン主演のアクションもの。結構前にサブ・カルチャー的にブロンソン・ブームというのがあって、それは好きだったし、自分がまだ小中学生に頃、TVの映画で記憶に残っているのはスタローンや、シュワルツネッガーよりもブロンソンだった。
傑作と駄作の差が激しいと一般的にはいわれる主演作だけど、僕は基本的に劇中でブロンソンが2〜3回銃を撃てばそれだけで十分おもしろいのである。
本作も、アクションものとして手堅く決めた一作。残酷な医者の拷問により死んだ友人のために、もう殺し屋を引退していたブロンソンが立ち上がるという内容。冒頭の友人の残酷シーンと海辺で楽しげに優雅に暮らすブロンソンのコントラストがつかみはオッケーだ。
今のアクション映画の尺度だと、アクションは非常に地味。マッド・ディロンの「ボーン・アイディティ」から、派手なアクションをカットしたら、かなりツライ作品になるだろう。しかし、ブロンソン場合は、ブロンソンが電話をしたり、ホテルにチェックインをしたり、ホテル廊下を歩いただけで「アクション映画」として成立してしまうのだ。ヒロインと会話をする、それだけでアクション映画になるのがブロンソンの映画なのだ。美男子ではなく、男っぽい。しかしなんとも品のある雰囲気。ブロンソンはカッコいい。
本作もテンポよくドライに話は進んでいく。やや、話の流れは平坦だがそこはリアイティだと思いたいし、ラストはなかなか妙味が効いていた一作。