REVIEW

父と娘の世界

2008.10.11

Deca4

洋画★シネフィル・イマジカ

「デカローグ 第4話 ある父と娘に関する物語」(1988年)

    「デカローグ」とは、ポーランドの監督、クシシュトフ・キェシロフスキによる、ワルシャワ郊外の住宅地を舞台とした旧約聖書の十戒をテーマにした1時間ほどの映画作品。全10作品ある。

 今回、「第4話 ある父と娘に関する物語(1988年)」を観ました。旧約聖書は読んだことはありませんが、それでもこの作品を十分楽しめました。きっと、旧約聖書を読んでいればもっと深く意味がわかるのでしょうね。聖書はよくホテルにありますよね。読んでみようかな。聖書って、世界でもっとも読まれている本のようですね。

 さて、作品の舞台はごく普通の住宅街であり、生後間もなく母を失い、父と二人でアパートに暮らしている20歳の学生の女の子が主人公です。冒頭のシーンから、お父さんとは仲の良い様子があって、家庭もごく普通の感じで親近感を持ちます。

 ほのぼのとした様子から、亡き母が残していた一通の手紙を娘が読んだことから、父と娘の関係がギクシャクしていきます。そのギクシャク感は本当にプライベートなことで二人以外にはまったく関係のない世界ですし、なんの影響も与えないものです。でも、二人にとってはもの凄く重要な出来事です。それの問題についてラストまで描かれます。

 ドラマ部分はBGMも少なく、濃い2人のやりとりの部分はアパート内の狭い部屋の中で進んでいきます。女優の演技がいい。可愛らしく生活感もあって、20歳という設定が子供過ぎず、でも大人とも言い切れない不安定な部分が魅力的に描かれています。父親もジャンパーの似合う普通のお父さんというのがいい。女優の服装の変化、表情や仕草に注目。


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