洋画★シネフィル・イマジカ
「ストリートファイター」(1975)
ブロンソンの映画を観ると、男について考えたくなる。本作は「男の美学」というのを等身大で楽しめる作品。それは決して、観念的なものではなく、生活感があるものだ。でも、よく考えると現実離れしているのだけど、どっちにしろ僕の心に刻まれるのである。
本作ではブロンソンは流れ者。調子のいい仲介人ジェームス・コーバンと組んでケンカ賭博の選手となり稼いでいく話である。さまざまな相手方との戦いの中、ヒロインとの淡すぎるエピソードもあり。ファイトシーンは地味なんだけど、落ち着いた編集が説得力を持たせている。技がごく普通のパンチ、キックというシンプルなのがいい。
僕は基本的にブロンソンの出ている映画はすべてオッケー。でも、映画レビュー的視点で観るとたしかにブロンソンの主演映画には駄作もある思う。でも、本作はアクションにしても、ドラマにしても大変タイトにまとまっていて「動」と「静」の場面のバランスもいい。派手でも、画期的な作品でもないが観やすいのである。
ブロンソンが大変寡黙なキャラクターなので、話す時が凄く重要なシーンの転換を意味するので、「話すか?話すか?」と観るほうが緊張するくらい。ヒロインとの別れかた僕も見習いたい。ラストも美しい。ブロンソンの映画はためになるなぁ。