洋画★シネフィル・イマジカ
「狼よさらば」(1974)
アクション映画。チャールズ・ブロンソンの代表作(なのかな)。本作が好評で「ロサンゼルス」「バトルガンM16」などの続編が制作された。
続編のほうは、僕が中学・高校のころよくTVで繰り返し放映されていて、記憶に残っている。ストーリーは、主人公のポール・カージーは、単なる一般人なのだけど「自警団」を名乗り、警察では処理しきれない悪人達をバサバサと撃ちまくって倒すという内容。
大抵、冒頭で罪の無い人が暴行を受けたり、殺されたりして、それに立ち向かっていく感じ。正直、一連の続編はそんなに深いレベルの話ではなくて、ラストのバッサバッサと同情の余地のない悪人を倒すブロンソンに拍手を贈る!という話です。
本作は、なぜ主人公が「自警団」になったのか、というあたりから始っており、続編とはかなり違う雰囲気が出ています。アクション的には、続編に比べてかなり地味ですが、ひとつひとつのシーンにズシンと重みがありドラマパートが興味深い。ハービー・ハンコックの音楽も素晴らしい。
もともと、ニューヨークで設計の仕事をしていて、妻と娘がいる都会のビジネスマンという感じの主人公。ところが、チンピラに妻を殺され、娘が廃人にされて事件から、銃嫌いの都会的な主人公が、復讐のため、夜の街を徘徊し、悪人達を適当に殺してまわるようになります。本作の魅力は、ごく普通な男が「自警団」となっていく様子です。
だんだん妻と娘への復讐、というより「とにかく悪人を適当に殺す男」にシフトしていくのが、おっかなくリアルで、最後にはもう妻や娘のことなど忘れてしまったように思えます。そこがおっかなくリアルです。ラストのブロンソンの表情!これが最大の見どころですなぁ。