REVIEW

カッコいい歳のとり方

2008.12.17

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洋画★シネフィル・イマジカ   
「ミリオンダラーベイビー」(2004)

  クリント・イーストウッド監督作品はどれも好き。監督作品はとりあえず観る。大体ハズレはない。

 

しかし、本作は「女性ボクサーもの」だと知って、観るのを敬遠してました。スポーツものは基本的にそれほど興味がないのです。でも、観てみました!

 観た人はわかると思うけど、この作品は「ボクシング」はほんのお飾りの要素しかない。現実にボクシングをやっている人には、かなり変な映画だと感じるのではないだろうか。ボクシングの話として観たら、かなりガッカリだと思う。僕でさえ「ボクシング映画」として観るとかなり違和感がある。

 でも、これを孤独な男と、貧しく家族にも愛されない30代の女性の話としてみると、かなり魅力的だ。孤独な男はイーストウッド自身が演じているのだけど、僕もこんな男になれたら、とふと思った。決して、幸福な感じではないのだけど、こうだったら、こうありたい、という歳のとり方の見本にしたいと思った。こんなことを感じるは初めてだ。

 脇役のモーガン・フリーマンもいい。この人が出ると作品が良くも悪くも一気にメジャー感が出て画面が派手になる。実際、かなり見せ場が用意されている。淡々になりがちな進行に良い華を添えてくれてる。イーストウッドとのやりとりも楽しい。

 ひとつひとつのシーンを大変丁重に撮ってあると思う。なにげない場面でもその「撮りかた」が登場人物の気持ちを表現しているのがわかる。ひとつひとつのシーンに注目して欲しい。


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