「超時空世紀オーガス02」(1993・OVA全6話)
※You Tubeリンク。音出ます。
僕は「ガンダム」「マクロス」の無印世代です。「オーガス」って「マクロス」の後番で、当時は正直あんまり印象が…というか話が 難しかった気がしてます。
今回観た「オーガス02」はその続編。
監督の高山文彦って、「機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争」の監督ですね。「ポケ戦」は正直、そんなに僕は好きではないのだけど、監督の名前はハッキリ憶えるほど、繊細でせつないドラマ部分は印象に残っている。評価が高いのは十分わかる。
僕が気が乗らなかったのは主役に感情移入できなかっためです。
「オーガス02」は前作を観てなくても大丈夫。主人公およびその周辺の人物も、前作的なことは知らないという設定なので、説明するシーンもありますし。
OVAということで、作画のクオリティは高い。美術のセンスもとても良い。舞台は まだ蒸気機関車が走っているような架空の世界で、ロボット兵器を「発掘して」使っているという設定のため、日常は雰囲気あるヨーロッパの村風なレトロな生活シーンがドラマ部分に実にうまく使われており、ここは監督の見事な手腕だなぁ、と思う。主人公とヒロインの寝台車のシーン等キレイで実に印象に残る。
ストーリーも実にテンポ良く進み、退屈させず、駆け足にもなりすぎず、バランスはかなりいい。主人公は、優しく、素直で意志が強い、そして運もいいという典型的な主役キャラ。他の登場人物も、ありがちなんだけど、僕はそれでいいと思っている。
「わかりやすいまっすぐなキャラが実に魅力的に描かれる」それが一番大事だと思う。僕は主人公キャラは変に屈折してないほうが好きである。ストレートさをまぶしく感じたい。理想的すぎ、うまくいくすぎ、という批判があるかもしれないけど、ドラマ全体が健全な発想で作られているのが、とても大事だと思う。「オーガス02」はそんな作品である。小手先ではなくストレートに勝負している。裏設定やミステリアスなだけな伏線はない。
メカが活躍するアクション・シーンは、本作では実に少なめなんだけど、気にはならない。要所で良い動きしてくれます。本作で監督は「ドラマを作るんだ!」とどっしり構えているのがわかっていい。実のところ本作のようなロボットもので、戦争を舞台にした作品でドラマで勝負って、かなり勇気がいることだと思う。そこを逃げてないのがお見事。凄い監督である。結果、本作は強度が高く、作画の良さも加えて名作になっているのでは。
前期オープニングの音楽はヒカシュー。これはびっくり。テーマソングとしては風変わりだけど、オリジナリティのある魅力的な音楽だと思う。それらを含めて「オーガス02」は完成度は高いと思う。最初に出てくるメーターの感じが、スチームサイバーっぽくて好き。