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「機甲創世記モスピーダ」
1983年に放映された全25話のTVアニメ作品。当時観ていたけど、ほとんど忘れていた。最近あらためてみる機会があった。現在、安価なDVDボックスも発売されている。「タイムボカンシリーズ」「ガッチャマン」などで知られるタツノコプロ制作の作品である。作風的にはシリアスなタッチで先の作品では「ガッチャマン」に近い。キャラクターデザインに天野喜孝、音楽は久石譲が参加している。
内容は、未来の地球が舞台で、謎の敵「インビッド」に地球は侵略され、地球の人々や軍隊は火星に後退する状況。体制を建て直し火星より「第1次地球奪回作戦」として反撃を試みるが失敗。第一話は「第2次地球奪回作戦」からス始まる。残念なが本作戦も地球突入時に敵の妨害工作により軍隊は被害を受け、ちりぢりになってしまう。
しかし、そのような場合、全軍は北アメリカにある敵の本拠地レフレックス・ポイントを目指せ、という指令を受けており、主人公の若き士官ステックは、占領下の地球で、たくましく暮らす若者や、軍人の生き残りと本拠地レフレックス・ポイントを目指す、という話…おもしろそうでしょう??
主人公らが使うメカはバイクから、パワードスーツのようなヒト型兵器になる「ライドアーマー」や、戦闘機からロボット兵器に変形する「レギオス」。キャラクターやメカニックデザインも今見ても悪くはない。
また、レギュラーの個性も、主人公のカチコチの軍人ぶりから、脱走兵、女性歌手を隠れ蓑にしていた第1次地球奪回作戦の生き残りの兵士、バイク好きの少年、家出をしてきた気の強い少女など、いろいろな個性が用意されている。なにか事件があるごとに、各キャラクターの反応や行動がなかなかおもしろく、見せ場になっている。特に歌手であり実は軍人である設定の登場人物イエローは歌う時は女性、通常は男性と2人の声優を当てているのはとても意欲的な取り組みだと思う。
難点といえば、良くも悪くも主人公らの個性によるやりとりが、見どころになっていって、大局的な部分が説明不足になっているところがあるし、ハードなミリタリーものとしての展開を期待する人にはそういった組織的な軍隊ドラマはほとんどない状態なのが残念かも。といっても、全体を描くとドラマが薄くなるし、ハードな軍隊ものにしたらTVシリーズですから人気が得られませんしね。
その分、30分1話完結ものとしての完成度は高いので、毎話楽しみですよ。今のこういったSF系のアニメTV作品って、設定とか、世界観にこだわりすぎてしまって、個々のキャラクターのやりとりのおもしろさが薄いような感じがするのですよね。だから、古い作品ながらとても新鮮に思えました。
そうそう、上記映像の金田伊功によるオープニングアニメーションは主題歌の良さもあって、気に入っています。