DVD REVIEW「ウィットネス・プロテクション~証人保護~ 」(2000年)
泥臭い刑事ものかと思えば、違った。アメリカの証人保護プログラム。その適用を受けた家族のドラマ。この制度は犯罪事件の証人が危険な証言をする代りに政府が新しい名前・住む街を提供するもの。
人里離れた隔離施設で5日間「生まれ変わる」訓練を家族4人で受ける。それを教える担当者。それがおもな登場人物。
今までの人間関係を捨てる悲しみ。もう、以前のような金回りのいい生活のできない不安。プログラムって、別に一生衣食住保証してくれる訳ではないのね。新しい生活のための最初だけ手助けするだけ。キビシイものです。それはそうか。
家族の主人は学歴もなく犯罪仕事で成り上がった人物。カタギのお金のいい就職には期待できません。息子は一流私立高校から、ランク落ちの公立にいかないといけない。彼女とも、もう会えない。奥さんも豪華な生活から働かないといけない…リアルな不安が彼らをとりまきます。やっぱり保護を受けるのはやめようか…そんな想いもよぎります。
ドラマの大部分は証人保護プログラムの施設内。日本にはないアメリカの手続きと、家族のドラマが地味ながら見せてくれます。印象に残るのは施設の担当者役の、フォレスト・ウィテカーが公務員ぽく淡々と指導しているのが、リアルな感じ。