REVIEW

なんでもありの普通人

2009.06.01

St2DVD REVIEW
「スター・トレック2 カーンの逆襲 」

   海外のTVシリーズが好きで「スタートレック」も好き。宇宙船エンタープライズ号のカーク船長を中心に、宇宙の新しい文明・新しい生物とコンタクトする使命を帯びた乗組員達。彼らが、宇宙で遭遇するさまざまな事件を描く、基本一話完結のシリーズ。

 その魅力を説明するのは、難しいし、自分自身でも、どこが好きなのか?わからないことがある。単純に宇宙船のデザインが好きですが、それは本質ではないと思う。

 僕がふと思い浮かぶ本質的魅力はSFの舞台設定の「なんでもあり」の世界の中で、主人公達はあくまで、なんら特殊能力のない普通の人間。組織の中で、組織のルールの中で動くことを要求されている。そのうえの活躍が魅力かも。

 主役達の属する地球連邦は一種軍隊的な組織。彼らは勇敢で時には地球の危機でさえ救うことがあるのに、常にあくまで組織のひとり、として存在にすぎない。さらにはその組織のトップにいる訳でもなく、特権階級でもない。主人公達はあくまで、現場で働く命令を受ける側の多くの組織人のひとりでしかない。

 主人公らの普通具合がポイントなのかな。そこに観る側が自分に重ねてリアリティを感じるていると思う。「自分たちのやれる権限の中でベストを尽くすしかない」というのが共感を得られるのではないのだろうか。まぁ、実際は主人公達はある種「都合の良い」活躍をしますが、それはエンターティメントとしてのバランスだと思うし、不自然にはなってはいない。

 本作は「スタートレック」の劇場用作品の2作目。劇場用作品の中では、一番娯楽色も強く、同時にわかりやすい作品になっている。また、「老い」とか「死」ついてのテーマがあります。そして、登場人物達がTVシリーズ同様あくまで普通のひとりとして、主人公が考えて行動しているのが、なんとも魅力的だと思いす。


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