終業時間の20分ほど前上司に呼ばれた。人気のない会議室にて、いよいよ管理職だと内示をいただいた。しかし、部下は「きじ」「さる」「犬」ということだ。人間がいないことを文句をいうと、本来は手配まで君がすべきところを、配慮したのだ感謝したまえ、と逆ギレされた。資料を押し付けられた。上司は無言になった。しかたがなくひきさがった。会議室を出るとちょうど終業のベルが鳴った。
職場から出ると、歩きながら部下らにどういった事務分配をすればいいのだろうか。途方にくれた。資料に目を通した。彼らの職務経歴書だった。どうやら全員初任のようだ。新人研修はどうしたのだろうか。
翌日、管理職になる辞令交付式でもらったのは「日本一」という旗だけだった。事務の効率化も随分進んだものである。任命権者の印はともかく、記名くらいあってもいいじゃないか。今の時代、管理職もなかなか大変である。帰りに動物図鑑を買おう。