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「セレニティ」(2005)
未来世界。宇宙を自分たちの思想で支配しようとする「同盟」。主人公らはそれに反抗する海賊宇宙船「セレニティー」号の乗組員達。この宇宙船には「同盟」によって人間兵器にされた少女は乗り込んでいた…「同盟」は彼女を追う。
観た後でネットで知ったのだけど、これは短命で終ったTVシリーズの劇場用作品だということ。視聴率的には振るわなかったものの、熱狂的なファンによって映画化。TVで失敗したのに、映画になるって凄いことですね。
主人公達が海賊ということでならず者達という設定がユニーク。といっても、まったくの無法者という訳ではない。船長はもともとは「同盟」の圧政に対して勇敢に戦った戦士。基本的に人殺しなどはせず「同盟」の金庫からお金を奪っていくという海賊稼業。
海賊船の乗組員もそれぞれ個性があっておもしろい。このあたりは人物描写に時間をかけることができるTVシリーズ名残かもしれない。目新しさより、ドラマに重点を置いている。
主人公らが「追われる存在」というのがスリリングだし、そこに美少女の人間兵器というインパクトを加えて、よりおもしろさを出している。でも、美少女は情緒不安定という設定にして、安易に活躍させないところはいいところ。
CGやアクションシーンについては、正直目新しさはないが、バランス良く平均点はあると思う。そのあたりはドラマを重視し、派手すぎないところも僕は好き。
SFのTVシリーズの好きな方だったら、まず勧められる作品だと思う。