Film Review
「毛皮のヴィーナス」(1969・西独/伊)
Story:主人公はリゾートホテルで滞在中の作家。隣室に来た美しいモデルを覗き見すると毛皮を使って自慰行為していた。主人公は彼女に惚れ込み奇妙な結婚生活が始まる…
サドかマゾかというどちらか選らべ、ということになれば迷うことなくマゾだと思う。そんな事態は来て欲しくないですが…どんな事態なんでしょう?
さてさて、本作はマゾッホ原作ということで、主人公はマゾ。ムチで叩かれて恍惚、というのが普通に映像であったりします。マゾに目覚めた理由が子供のころ、母の情事を覗いていたのを見つかり、叩かれて怒られます。でも、決して悪そうな母ではないので、叩かれた後優しくされます。その体験がマゾへの目覚めだということです。なんだか妙にリアルで納得した自分が居ました。
ヒロインと結婚すると、自分は運転手という設定でご主人さまプレイをスタートします。一緒に旅をしてホテルの部屋でまたムチで打たれます(それをのぞくメイドもあり)。
後半から、ヒロインと仲良くなるバイク髭男が登場して、運転手がゆえにやきもきしながら、二人の浮気を見守るのみ。あんまり、見守ったいたら髭男にブン殴られます。でも、その痛さも快感なのかしら。
イタリアの太陽の自然光が美しい。そして、ヒロイン扮するラウラ・アントネッリがとっても健康的な美しさがあり、変質な感じがしない。また、サントラがオシャレでノリノリのポップ(あまりいいのでネットで探したら、なかなか高価みたい)。
映像がスカッとしていて変態な内容にしては明るく、そしてまったくインテリ臭がしないので、一般の方には意味不明なテーマだし、特殊な方には物足りないし、誰にむけて作られたまったく不明な感じが奇跡。ラストもハッピーエンドなのか、なんだかわからない感がダブルの奇跡を感じた。