REVIEW

戦いに捨てられた男

2010.02.10

R4

「ランボー 最後の戦場」(2009)

 ひさびさのランボーシリーズ最新作&最終作?

 もう、ここでのランボーは「亡霊」であるかもしれない。彼はジャングルの中で、蛇の世話をして、ボートのガイドをしている。そこに、また誰かが彼を戦いの世界に「誘い」にくる。彼は当然断る。しかし、二度目に受ける。非暴力を唱える医師団を乗せてボートはゆく。彼らは軍隊に捕まり、暴力の世界に放り込まれる。

 ランボーが2度目のボートに乗せる客は、傭兵である。彼は、つかまった医師団を救出にむかうのだ。ランボーもいきががかり上「協力」を申し出る。ひかえめである。

 本作のランボーは主役ではなく、脇役のようである。でも、最後には巨大な力をみせる。その力は神のごとく一方的な殺戮マシーンである。あまりに一方的であり、同時に単調である。そこには味はない。やはり、彼は亡霊なのだろうか。

ラストシーンは、彼の「魂」の帰還のように、あまりに美しく、健全なのは、彼は天国に到着したように思える。彼の到着は平和の結果ではなく、戦いにも見捨てられた男の静かななる帰還かもしれない。


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