REVIEW

映画コラム。潜水艦は狭い。

2011.05.22

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Film Review 「ビロウ」 (2002)

 あらすじ:舞台は第二次世界大戦中のイギリス潜水艦。任務を終え本国へ帰還中に撃沈された医療船の3人の生存者を救出する。それから艦内では怪現象が続出。加えて敵攻撃の恐怖も。そして、この潜水艦には艦長がいなかった。その真相は?

密閉感のある映画が好き。その訳は自分が映画の出演者になったように気分にひたりやすい。逃げられない、逃げ切れない感じがイイ。代表的なジャンルとしては、ハイジャックものとか宇宙船ものね。

そして、その次は潜水艦ものかなぁ。これも逃げられない。宇宙船なみに密閉感高くスリルが高い。軍用潜水艦の殺伐として、人がようやく一人歩ける感じの通路いいなぁ。密閉感を盛り上げる。

さて、本作は戦争中が舞台なので、いつ敵駆逐艦から爆雷攻撃をうけるかスリル満点。一個でも爆雷が至近距離で爆発すれば海の藻くず。そんな交戦のスリル感と密閉感、そこにさらにホラー、サスペンスの要素を盛り込んだの本作である。

  まず、いいとこ。映像がキレイ。艦内セットもかなり良く出来てる。リアルです。また爆雷を耐えるシーンでは潜水艦の怖さがが出ていて、僕もオシッコ漏らしそうです。爆雷こわい。

次にわるいとこ。ホラーとサスペンスの処理がどうも良くない。僕はサスペンスだけで良かったような気がする。監督としては非現実(ホラー)と現実(サスペンス)を絡み合わせて、よりオリジナルティの高い作品にしたかっのだと思うのだけど…そのせいで、なんかよくわからないだけの作品になった感じがする。

きっと、デビッド・リンチみたいな感じを狙ったのかなと今思ったけど、それならもっと全体的に非現実オーラがあったほうが良かったよなぁ。もっと歪んだ感じがね。ホラーシーンが「13日の金曜日」のようなコケ脅し感があってガッカリ。

「敵攻撃の恐怖」「3人の救出者」「艦長の謎の死」という魅力的な要素があるのだから、映像に凝りつつ、ストーリーは現実的な路線が良かったのかな、と思った次第です。すごく惜しい感じ。魅力とカッガリ感が交差するモヤモヤとした映画でした。


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