映画レビュー
「プロメテウス」(封切作品)
● メカニック、エイリアン、最後は浅い人間。
「エイリアン」から、30年。
さて、リドリー・スコットは、どうくるか?とワクワクしていたら、まったく変ってなかった。そのセンスのすべてが。
オリジナルの続編なんだから、それはそうかもしれないが、
妙に嬉しい。変らないのが評価されない今日。本作は変らないのが美しい、監督の内面で純粋培養された映画。
そこまで、リドリースコットが考えていたかは、わからかない。
少なくても30年のギャップを埋めるために、変な小細工はしなかった。最新のCG技術を駆使しながら、30年前のセンスを映像化している。
プロメテスウス号がエンジニアの惑星に着陸。
そこから、捜索隊の車両が出て行く。そのシーンですべてを了解。とってもいい。洞窟を自動でマッピングしていく、赤く光る装置もいい。そのあたりを楽しむのが正解。あと、医療マシン。
要するにメカニックデザイン(当然、アンドロイドを含む)。
を主軸として、お約束の人物ドラマがすすむ。
エイリアン・シリーズにおいて、結局は人間は脇役。
主役は、メカニック、そして闇にうごめくエイリアン達。
大事なことだから、繰り返そう、
素敵なメカニック、登場人物の(浅い)思惑、そしてエイリアンの活躍。この3つがあればいい。
本作から、エイリアン・シリーズを知ったなら、過去作品にさかのぼるのもおすすめ。
オリジナルから、ジェームズ・キャメロンの「2」。デビッド・フィンチャーの「3」。そして、ジャン・ピエール・ジュネ「4」。それぞれ味わいがある。
息抜きに「エイリアン対プレデター」もいいよ。
Text Shinichi Ishikawa / NUMERO DEUX