仕事の字間

仕事の字間 第06回「お昼の実験(前編)」

2013.02.25

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Sigo

第06回
お昼の実験」(2013.2.24)

「仕事の」… 僕の考える仕事とは、報酬に関係なくなにかを成し遂げること。そして、人生は「ちいさな仕事」の積み重ね。そんなことを考えながら、おおくりするコラムです。

最近、自分の財布を目にしていない。そのキッカケは、冬のまっただ午前4:30ころ、朝食の準備をしていた時だった(まず準備。食べるのは7時前後)。好きなポッドキャストの番組を聴きながらの20分程度の自炊行為。家事であり、気分転換の好きな時間だ。自然光もなく、薄暗い静かなキッチンは僕の精神のたまらなく安定させる。

おいしいピザ用のナチュラルチーズが手に入ったので、ピザトーストでも作ろうかと思いつく。最近、しみじみ思うのはチーズの重要性だ。これにケチってはいけない。これには真理がある。さて、じゃあ朝ピザトーストか、といつものルーチンの思想に入っていたら、ふとサンドイッチもいいよね、と思った。

サンドイッチ、というイメージから浮かんだのは、アメリカの学生のお昼。ベンチで食べる光景。僕はアメリカには行ったことはないけど、よく映画で学生のお昼のランチは、家からサンドイッチ果物、というイメージだよね、と思った。スヌーピーのチャーリーブラウンや親友ライナスがならんで食べる感じ。では、朝食はサンドイッチにしようか、と思った。いや、まてと僕の頭は、お昼ごはんに飛ぶ。もはや、ポッドキャストの内容は頭によく入らない。

僕のお昼ごはんは基本は外食であった。しかし、正直、外食には飽きていた。僕の仕事はデスクワークで、仕事中の外食というとひどく限られたものになる。お昼休みで入手できる範囲限定、加えて毎日のことだからお金もかけられるものでもない。僕はヤンエグではないから。ヤングでもなく、エグゼクティブでもない。どちらかは欲しい気もするけど…。すると、決まりきったメニューとなる。出入り業者の弁当か、コンビニエンスストアか、そのワンパターンぶりに飽きてはいたのだが、完全に惰性で食べていた。機械的に。「マン・マシーン」である。テクノは好きだが、テクノな食生活は無理かもしれない。

そんな、状況のなかでふと自作サンドイッチでお昼というアイディア。神よりの提示である。いい予感がして実行してみることにした。では、朝食をどうするか、玄米シリアルがあるので、それに青汁の粉末をかけて、それにプルーン入りのヨーグルト、あと毎日飲む、低速ミキサーで作るニンジンとリンゴの小松菜、レモンのジュースでいいやと思った。液体な感じな朝ごはんだけどね。

さて、お昼ごはんの実験に移ろう。冷凍している朝食用の食パンを取り出して、そのままオーブントースターで加熱して、軽くトーストする。解凍はしなくていいのは実証済み。その間、冷蔵庫を眺める。僕は冷蔵庫を見るのが好きだ。その次に好きなのが、食料ストッカーの6つの引き出しをあけること。冷蔵庫からバターを取り出し、必要分とって、レンジで10秒程度入れて溶かし、パンに塗りやすくする。実家からもらってきたハムが目に入る。これはいい、あとタマゴがある。

少々面倒だが、ゆで卵を作ろう。あとタマネギ。今回の材料はこんなところでいいだろう。ミルクパンでゆで卵を作ることにする…6分加熱。その間、ハムを薄切りにして、タマネギをスライスして、水通しをしていく。粒入りマスタードもあって良かった。これはいい予感。ゆで卵ができたら、それを刻んでマヨネーズとコショウで味付けをする。タマゴ2個分を作ったみたら相当できた。これなら3回分ぐらいになりそうだ。良かった。ゆでたまご作業に時間がかかった。

さて、材料はそろった。後は挟むだけだ。食パンに、バターを塗り、マスタードも塗る。ハムとその上にゆで卵の具材と、そして最後にタマネギ。タマネギ余った、これもあと2回分はいけそう。そして、もうひとつのパンでサンドする。これで完成。ゆでタマゴの作業がなければ10分もかからない。次回はタマゴはあまりがあるので次回は素早くできそうだ。

僕の自炊の旅は長くなりそうなので……次回後編に続きます。

ただし、この話は大きなオチがある訳ではありません。
お昼用にサンドイッチ作って良かったなー話です。

 

文と写真 石川 伸一(NUMERO DEUX)

 


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