仕事の字間

仕事の字間 第07回「お昼の実験(後編)」

2013.03.09

Photo

Sigo

第07回
お昼の実験後編)」(2013.3.9)

「仕事の」… 僕の考える仕事とは、報酬に関係なくなにかを成し遂げること。そして、人生は「ちいさな仕事」の積み重ね。そんなことを考えながら、おおくりするコラムです。

前回のあらすじ。
仕事の合間のランチに軽く
絶望していた僕はふと仕事に行くまえにサンドイッチを作って、仕事場に持っていくことを思いつく。そして、なんとか完成はした。

さて、どうやって仕事場に持っていこうか、サンドイッチ容器など持っていない。タッパウェアを探したが、さすがに正方形なサンドイッチがそのまま入る容器は見当たらない。それに 食べにくいなと思って、切ることする。結局、タッパに入れるために4つに切った。あと、冷蔵庫にキャベツのザワークラウトがあったので一番ちいさなタッパに入れてみた。

大小ふたつのタッパ をジップロックにいれて、ナプキンかわりにキッチンペーパーを突っ込んだ。間に合わせ感覚いっぱいの外観がややというか結構恥ずかしい。ここは今後考えたいところ。そのジップロックを仕事用のショルダーバックのA4バインダーのとなりに入れる。さて、これで実験的お昼の準備完了。ここから、朝食作業に戻る。今日はいそがしい朝だ。朝食の準備ができると、僕は一旦、自室に戻り、メールや予定のチエックを6時30分くらいまでにおこなう。そして、シャワーを浴び、朝食を食べて仕事に出かける。実験的サンドイッチをバッグに入れて。

さて、お昼の時間になった。いつもなら買ったものを取り出すか、食べに出かけるのだが今日は違う。バッグからジップロックを取り出す。ナプキンといいたいがキッチンペーパーなのが、やはり継続的に恥ずかしい。ここは最低でも茶色の紙袋に、柄入りのナプキンだよなぁ、と思う。そうだ、ここで保温の小さな容器があれば、スープを作ってくるのもいいなぁと思う。思ってばかりでもしょうがないので、今回の飲み物は仕事場にあったティーパックの紅茶にする。

さて、大タッパを開けて自作サンドイッチを取り出す。食べてみる、うまい。もっと細かく説明すると「ふつうにうまい」。これが僕の求めたいたものだった。僕は、最近のお昼はこれがなかったのだ。

そこそこよさげなハムにマスター ド、マヨネーズとコショウで味付けをして刻んだ茹でダマゴ、そしてシャキシャキしたタマネギ。そして、小タッパからはキャベツのザワークラウトを食べる。やや、 酢が多かったが有機のキャベツがうまい。そして、ティーパックの熱い紅茶を飲む。うまい。安心できる食事。これはいいなぁと思う。なぜ、
今しなかったのか後悔したいくらい。懺悔の時間。

計算をしよう。家計の時間。僕は平均すれば、平日お昼に最低500円はつかってきた。最低ラインで一ヶ月なら12,000円である。僕はこの金額自体が特に悪い、とは思わない。でも、この支出はまったく惰性で、楽しくなかった。楽しくないけど、お昼を抜くほどお腹も持たないので、食べていた。まさに惰性。空腹は解消されているが、どうも精神的には気分転換にならなかった。人はパンのみに生きるに非ず。自分なりに満足してるなら、1万程度の出費は許容できる。しかし、満足してなかった。しかし、僕は今回の自作のサンドイッチは、感動するとかのレベルではもちろんないが「満足はした」。これはとても大切なことだ。人生とは「満足」という感情をどこまで重ねられることかが価値がある。

外食の満足度と年齢の問題もあるかと思う。僕は昔ほど外食に対する満足度が高かった気がする。なんだろうか20代や30代前半くらいまでは500円程度でも気分的には盛り上がって、喜んでお店のランチメニューやコンビニのお弁当やサンドイッチを食べていた。しかし、最近数年、自炊をするようになって、さ らに自炊の食材も、有機とか無農薬、特別栽培、最低でも国産、というのをやっていくと、どうも外食に対する考えも変ってきたようだ。外食=スペシャルな気持ちから遠ざかった。もちろん、うまいくて満足できる外食もある。しかし、今の僕は満足できない外食もいろいろ存在するようになってしまった。

こうして、僕の「新しい昼食」は、はじまった。うまくいく感じだったので、持っていく容器をキチンと買おうかと思って週末ロフトに買い行くことにした。また、今回長くなってしまったので、ロフトで購入した現在の僕の自作ランチセットの紹介は、次回サラリとしたいと思う。

文と写真 石川 伸一(NUMERO DEUX)

 



COLUMN

CATEGORY

LATEST ENTRIES

ARCHIVES

website design by shie sato

SAPPORO ART & DESIGN MAGAZINE NUMERO DEUX 札幌 アート&デザインマガジン ニュメロデュー

copyright @ NUMERO DEUX allrights reserved.
top