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映画の琴(コト)『アイアン・スカイ』
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「2018年、月からナチスが地球を攻めて来る」という話。僕としては、どんなスタンスで観ればいいか困惑してしまう。本編が進むと、全体的にブラックユーモア作品であり、観終わるとキューブリックの「博士の異常な愛情」を思い出した。僕「時計仕掛けのオレンジ」や「2001年宇宙の旅」よりも「博士の異常な愛情」や「アイドアイドワイドシャット」が好きです。脱線でした。未来のアナログなナチスのメカニックデザインはかなりツボで魅力的。そのあたりが好きな人には満足できるかと。攻めて来るナチスもハチャメチャだが、対するアメリカを中心とした各国も、人気取りと嘘でかためられているので良い勝負。本作は正義とか悪とかあんまり浮かばないね。特集効果に加えて、ドラマパートも政治や人種問題をブラックにツボを押さえており、決して大予算の映画ではないみたいけど、良質のB級映画かと思います。
Text & by 石川伸一(NUMERO DEUX)
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