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映画の琴(コト)『フリーランサー』
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ストーリー:舞台は現代のニューヨーク。ストリートギャングから更正して警官になった主人公。しかし、上司である刑事から警察が没収した金を横領するという悪の道の誘われる。
感想:悪の上司がロバート・デニーロ。好きな俳優である。思うのは近作のデニーロの演技って本当にお小遣い稼ぎな感じがする。出番も少なく、全身を使うような演技もない。主人公と思わせぶりな会話をゴニョゴニョしておしまい、というパターン。役作りには徹底的にこだわる昔のデニーロとはえらい違いである。でも、僕はこれでいいと思っている。お金も地位もある。いろいろ趣味もありそう。余生をゆったり過ごそう、という気分なのだろう。そのほうが普通の人ぽくて共感が持てる。本作の物足りなさをデニーロにせいにしてはいけないと思う。シナリオが平坦すぎておもしさに欠ける。キャラクターの魅力もない。そう考えるとデニーロの軽めの演技が合っているのかもしれない。
Text & by 石川伸一(NUMERO DEUX)
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