毎日の字間

2016.7.2 映画の琴(コト)『ディバイナー 戦禍に光を求めて』

2016.07.02

waterdiviner
『ディバイナー 戦禍に光を求めて』(2014年)

ラッセル・クロウの監督業。
2回めのほうが楽しめる映画は正しいのか。

ラッセル・クロウって今、何をしているのかな?と思っていたら、映画を作っていたようです。本作は初監督作品、同時に主演であります。本作はクロウが作りたい、演じたい作品なのでしょう。さてさて、と思って見はじめる。DVDのパッケージを軽くだけみていると、勝手に戦争アクション映画だとイメージ。

再生するとあれ?平和そうな場所で水堀を開始。なんだそりゃ、と思っていたら実は本作の大切な伏線ではあるのですけどね。お話は戦争によって息子3人行方不明(戦死の可能性大)。妻はそのショックで自殺…孤独になった主人公(クロウ)は、息子を探しに戦場だったトルコに渡る。旅に出る主人公。

映画の構造が主人公の行動にフォーカスされている。そのため、先が読めないのが少し疲れる。わかるだろうか。話がアヴァンギャルドなら、それはそれで落ち着く。でも、本作は人探しが基本形で、それに対応する展開のリズムに僕はどうもノレなかった。そんなヘンではないのだけど、波に乗れない。その場合、シーンだけで魅せるところが、もっとあればいいのだけど、それが少ない。主人公の行動が読みにくい。そこに僕は疲労感。

ラスト近くになると、アクションあり、ハッピーな空気もあり。最後に集中して、エンターティメントとしての均衡がキリリととれてる。ほう、なるほどという感じ。だから、本作は最初より2回目のほうが楽しめる。それは魅力だけど、でもそれでいいのかな、と思う。メジャー感とアート作品ぽさの中間を揺らいでいる。ホント2回目がおもしろい、翌日のカレー的作品だといえます。


60点
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Text by
アート・メディアライター 石 川 伸 一 (NUMERO DEUX)


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