NUMERO DEUX NEWS 16037

 札幌のアートなニュース。

髪型は、もっとも身近な「デザイン」
美容師はアーティストであること。

よくクラシカル映画の未来感では人々の服装も髪型も同じになる、というのがある。でも、なかなか、そんな時代は来そうもない。服は同じもの着れればいいけど、髪型というのはその人自身が持っている髪質という極めて肉体的なことがあるから、完全な同一は無理ではないか？と思う。まぁ、そのあたりは全員スキンヘッドにすればいいじゃん、ということになって、クラシカルな未来感でもそうはなっている。でもそんな解決方法は未来的ではないなと思う。みんな好きな服装もしたいし、好きで自分らしい髪型にはしていきたいと思うのではないか。未来は良くも悪くも多様性をすすめる社会にはなっている。それには異論はあるかもしれないけど、少なくても継続的な同一ファッションの社会にはなっていないと思う。

北海道ヘアデザイナー100人展は「ヘアーデザインの新たな可能性・創造性を、ここHOKKAIDOから発信する」というコンセプトに2009年にスタート。道内外から募集したヘアデザインのスチールを展示する企画である。ゲストコメンテーターが招待され、関連イベントの開催された。ウェブサイトでも作品を見ることができる。

こうした企画は、髪を切るという大部分の人にとっては日常的な行為を、クリエイティヴな観点で考えるという意味で、とても良い企画だと思う。展示された作品を見ているとヘアスタイルのアートな可能性も感じられて、とても楽しい。美容師はもっとも身近なアーティストだとあらためて思った。

Text byアート・メディアライター 石 川 伸 一 (NUMERO DEUX)

「北海道ヘアデザイナー100人展」
会期：2016年06月14日(火)〜2016年06月21日(火)
場所：チ・カ・ホ（札幌駅前通地下歩行空間） 北１条イベントスペース（東）