NUMERO DEUX NEWS 16038
札幌のアートなニュース。
今、都市や街をイメージとして
決めるのではなく、考える。
「街」や「都市」について「コンクリートジャングル」という表現がある。その意味は都市についての無機質な冷たさ、混沌を表現しているものだと思う。ただ、その視点はもう古い。嘆いても、街や都市の発展(または衰退)はとまらない。土ではなくてコンクリート。でも、僕は生まれた頃からまわりはコンクリートのほうが多かった。違和感はない。自然のジャングルも時には地獄にもなるだろう。だから、コンクリートだろうが、自然であってもジャングルはジャングルなのだ。それに、僕は街や都市にも優しさやおもしろさはあると思う。自然が善で都市が悪なんていうのは僕は無意味だと思う。大切なのは、対象を決めつけることなく観察して考えることだと思う。そこから判断していくのだ。
アーティストの鈴木悠哉。彼は街を歩いて気になった光景や風景を写真に撮り、それをドローイングへと抽象化させる。そこから作家が目にした個人的な光景を、文字でも記号でもない、もう一つの共通言語へと変換している。そのクリエティブは、個人的な光景が鑑賞者の想像や誤読によって豊かな物語へと広がっていくといえる。彼の作品を見るものは、その抽象化されたイメージによって、自分の街や都市のストーリーを考えることができるだろう。作品によるフィルタリング。そこで逆に見るものには考えるきっかけを与えてくれる。それはきっと異なる解釈もあるだろう。でも、それでいいと思う。
今回の企画では本展示に加えて、7月17日(日)に行う「まちの無意識を発見するワークショップ」の成果を展示する予定になっている。
http://terrace-keikaku.blogspot.jp/2016/06/618.html
Text by
アート・メディアライター 石 川 伸 一 (NUMERO DEUX)
「ヘキガ計画2 鈴木悠哉」
会期:2016年6月18日(金)~7月28日(木)・10:00~20:00
会場:眺望ギャラリー[テラス計画](北2西4)
(赤れんがテラス5階(3階で直通EVに乗り継ぎ))