毎日の字間

2017.10.8 映画の琴(コト)「ダンケルク」

2017.10.08

ダンケルク
「ダンケルク」(2017年)

クリストファー・ノーラン監督の新作。僕はこの監督作品は好きだけど「バットマン」は苦手かな。ティム・バートン版のほうが好きです。これは否定ではなくて、ノーランの「バットマン」のカッコよさというのはわかる。だけど(僕の考える)アメコミヒーローという枠をはずれてしまっている感じがするのだ。それは「バットマン ビギンズ」の最初のシーンから違和感があった。

これは単なる僕のバートン好きだからかもしれないけど、ノーランの料理の仕方というのは非常に個性的で「インターステラー」は大好きなんだけど、SFというより「ノーランだなぁ」とまず思っていますのは、いいのか悪いのかわからない。

「ダンケルク」もまた例外ではない。実際にあった出来事の戦争映画という、いろいろなアプローチでたくさん作られたジャンルの作品。それをどう料理するのか? と思ったら、陸・海・空の3つのシーンで構成して「陸」の緊張感を中心に、控えめなドラマで展開されている。大作戦のスケール感や、カルシタスというのは、とにかく抑えて、抑えて大きな画面に、ちいさなドラマが進んでいって、ちいさなままに終わる。大スペクタルでもないし、ちいさく切り取った濃厚なドラマがある訳でもない。あえて、いえば「現実的な詩」ということだろうか? とにかく、僕はノーランのファンだといえる作品である。

ishikawa
Text by  メディアリサーチャー 石 川 伸 一 (NUMERO DEUX)


COLUMN

CATEGORY

LATEST ENTRIES

ARCHIVES

website design by shie sato

SAPPORO ART & DESIGN MAGAZINE NUMERO DEUX 札幌 アート&デザインマガジン ニュメロデュー

copyright @ NUMERO DEUX allrights reserved.
top