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NEWS No.180303「葛西由香 個展 「日々とあそび」」

2018.03.24

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日本人だけど「日本画」って 馴染みがないよね、という話。
でも、おもしろいよ。札幌の素敵なアーティストを紹介します。

春が近づいている、気持ち良い。雪を忘れたい…そんな季節でも、どうしたら前向きになれるの?と自問する毎日。そんな時はアートを観るのがいい。少なくても僕はそうだ。

日本画を知らない。日本で生まれても、目にするのは圧倒的に洋画である。実家に飾ってあった父の知人が描いたという絵も。ホテルや、和風の旅館でも公共の空間でも。なぜそんなことになってしまったかわからない。まぁ、考えてみれば不思議なことでもない。なぜなら、私達の衣食住の大部分は西洋化されている。純日本風なものは少なくなっている。珍しいくらいだ。

日本で和風なものが珍しいとは!そこが日本のおもしろいところかもしれない。さて、日本画とはなにかと言えば、一番大きいのは岩絵具という絵具の違いかなと僕は思う。岩絵具は天然の鉱物を砕いてつくったものが基本である。岩絵具を使えば日本画と説明できるのではないかと僕は思っている。この絵具の色彩や質感は、日本人にどこか親しみやすさを感じさせる。それは、きっと自分たちが、普段目にする日本画以外の和風のカルチャーと共通する部分があるからだろう。だから、日本画の世界は難しくはない。もっと、気軽に楽しんでもいい。

葛西由香は1993年北海道網走市出身。2016年札幌大谷大学芸術学部美術学科日本画コース卒業。卒業制作として制作した襖絵「明治物語」(500m美術館にて展示)では、お菓子の「きのこの山」と「たけのこ里」を鎌倉時代の「平治物語絵詞」に見立てたユニークな襖絵「明治物語」は注目を浴びた作品。その後もさまざまなアート企画に出品。伝統的な「見立て」や「やつし」の技法を取り入れつつ、想像力を刺激し、ユーモアのある日本画作品を制作する新鋭のアーティストである。その初個展が開催された。

葛西由香の作品について僕の短めな感想は、びっくりするほどセンスがいい。そして、そのセンスを日本画という世界で展開したのも、とってもいいなと思う。加えて大変良い方向で「若さ」が作品から感じられるのも素敵だ。そのため、僕たちは彼女の作品のこれからの展開を楽しみにすることができる。すべてとはいわないが、僕はアート作品にユーモアがあるのはとてもいいと思っている。ユーモアとは、批評性でありセンスである。簡単なことではない、それを作品に品良く着地させるのはとてもむずかしい。それを彼女は軽やかに(と感じさせる)日本画として定着させている。そのセンスの定着性は、インテリアとしても調和があり、彼女の作品を家に飾るのもおすすめできる。日本のアートの未来を見るようで楽しくなってきた。

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Text by  メディアリサーチャー石 川 伸 一 (NUMERO DEUX)

葛西由香 個展 「日々とあそび」 会期:2018年3月3日(土)〜25日(日) 時間:11:00~19:00 休廊:月・火曜日 会場:クラークギャラリー+SHIFT(札幌市中央区南3条東2丁目6 MUSEUM 2階) http://www.clarkgallery.co.jp


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