忙しい時は、
カフェに行く。
それは時間を止めるため。
(こっそりと教えよう)
実は、時間は止められない。
一時停止、
生活にはそれが必要だ。いや、しなければならない
したほうがいい、ではなく、しなければならない
なぜなら、僕たちはバスに乗っているからだ
行き先がはっきりしないバスに
ところが、日々、自分の運転する車に乗っていると
思っている。でも、それは白昼夢。
ぼんやりとバスの座席に座っているだけなのだ。
窓から見えるどこかの空。 垂れる水滴
自分のバスはどこにいるのか? 運転席の路線図を見る
または、どこかでバスを乗り換える それを時々、必ずしなければならない
そのためには、カフェに行くこと それは最良のくらしの一時停止
バスを降りたところにある素敵なカフェ
僕は、そのお店でカウンターでコーヒーを注文して、素朴で趣味のいい木製の席に座る。
運ばれるおいしい珈琲。それを飲んだ時、
自分は自分になる。
仕事でもなく、義務でもない時間
そこで、自分のしたいことと、するべきこと考えて
メモをする
僕は多分、ずっとバスに乗り続ける。
自分の車を運転することはないだろう。
でも、時々、カフェのために
下車できれば
十分なのだ。
Text by アート/メディア リサーチャー 石 川 伸 一 (NUMERO DEUX)