2019年1月。今月は月ことに昨年を振り返り、
今年のことを考えていきたいと思う
2018 年 2月のこと
デジタルよい、アナログはふるい、ということはなくて、
あるのは表現として、いいか、足りないかということ。
絵本を作ったこと
デジタルとアナログを手をとりあって
進んだほうがいいよね
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電子書籍によって、「紙」の本のシェアが減るのは間違いがない 実感がある。では「紙」の本は消滅するのか?それはないと思う。減るけど消滅はない。音楽のストリーミングサービスYouTubeがあっても、アナログレコードが存在しているのと同じ。
紙の本のたしかな存在感や装丁の魅力は、「絵本」というメディアにはかなり相性がいいと思う。もちろん、タブレットやスマホの電子書籍化された「絵本」の便利さや実用性は素晴らしいし、子供の「テクノロジー」への興味の入口といしても素晴らしいと思う。
加えて「紙」の絵本には現実世界の手触りなモノへの興味を開かせるフィジカルな魅力がある。僕は2017年に個人に作家の依頼によって「くものもくもくん」という絵本の制作した。
それに関連してこの2018年の2月、そのPRに室蘭市で開催された複合イベントで、絵本の販売および、絵本の読みき聞かせや、体操パフォーマンス、遊具コーナーを制作・設置させてもらいPR活動をしたのは良い思い出である。子供むけのイベント制作ははじめて。
個人の作家の自己出版による小規模出版物。こうした本はリトルプレスと呼ばれ、静かなブームになってる。これにはパソコンやソフトウェアの発達、低価格によって印刷物のデーターが個人も作りやすくなったこと。
さらに、インターネットの発展によって、地方でも印刷物が安くできる仕組みができたのが大きい。また、テクノロジーをつかわず、まったく手作りも楽しい。手書きで書いて、切り貼りで写真やイラストを入れる。
それをコンビニのコピーでつくるのは「電子書籍」社会では、実にアヴァンギャルドでパンクな創作活動ではないか。これが本当のサイバーパンクと思う、いやスチームサイバーか。
すこし話はそれるが、最近は手芸・ハンドクラフトと呼ばれる、いわゆる「手作り作家」の活動がしやすくなっていると思う。こうした作家さんたちは昔からいたが、インターネットの普及によって、仲間や情報を集めたり、また販売をするサービスを利用できるのは、大きな力になっていると思う。さらにはリアルな販売イベントも告知・集客しやすくなっていると思う。
インターネットというデジタルな最新テクノロジーが、アナログな手作りの作品をとりまく環境に良い影響を与えているのは興味深い。テクノロジーの発達が一見、それに反すると思われる、紙やハンドクラフト作品の「つくりやすさ」「活動しやすさ」に役立っている。
デジタルのグラフィックの世界でも、わざとアナログなタッチを生かした作品も多くみかけるようになってる。これもアナログとデジタルのとても健康的な進化だと思うのだ。
僕はこれからの社会は、全体的にはデジタルな方向が大部分を占めていくとは思う。しかし絵本を含めたアートの世界ではアナログの持つ手の感触のあるものは、アート表現として、僕たちを楽しませてこれからも続いていくと思う。
「くものもくもくん」の制作や宣伝については、
以下にあれこあれ書いてありますので、よかったら書いてみてください、
「 リトルプレス絵本『くものもくもくん』をつくる!」<1.はじまり〜制作>http://numerodeux.net/?p=17956
Text by メディアリサーチャー 石 川 伸 一 (NUMERO DEUX)
〜文化とアートとメディアについて考えて、書くのが好きです
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