美術館とリアルとネットの三角関係。
僕は今までミュージアム(美術館)のサイトといえば展示情報の確認をする、という使い方になる。そういえば、最近、美術館のサイトのアクセスしてない。それはそうだ、なぜならコロナの状況があるため美術館に足が遠のく、すると展示スケジュールを観る必要がないのだ。
でも、ミュージアムのサイトは、それでいいのだろうか?
おうちミュージアムは、北海道博物館の学芸員渋谷美月が、今年3月コロナのために休校となり、家で過ごすことになった子どもたちにむけた企画。その内容は本館のウェブサイトに、今まで本美術館がおこなった企画やワークショップから、子どもたちがおうちで体験できるものアップロードする内容。例えば、松浦武四郎か描いた絵の塗り絵や、アイヌ語が作れるアイヌ語ブロックなどが、アップされている。
http://www.hm.pref.hokkaido.lg.jp/ouchi-museum/
この企画のユニークなところは、本企画について、道内からさらに全国によびかけ現時点で217のミュージアムがおうちミュージアムに参加しているということ。専用の可愛らしいロゴもキャッチーでわかりやすい。
今回、室蘭市の生涯学習センター「きらん」開催された 「アーバンデータチャレンジ2020」。地域課題の解決を目的に、主に地方自治体を中心とする公共データを活用したデータ活用型コミュニティづくり等をおこなうイベントだ。
この中でおうちミュージアムの企画をおこなった北海道博物館の学芸員渋谷美月の講演「おうちミュージアムとしてネット上に現れた全国のミュージアムの学びのコンテンツ」がおこなわれた。
https://youtu.be/8hgqV4Hkn_o?t=5729
講演では先に書いた 成り立ちから、本プロジェクトが持っている今後の可能性、それはおうちミュージアム で展開されるオンライン上のアーカイブ(おうちミュージアムラボ)を「ユニバーサルな学び」「学校や病院との連携」「地域の新しい資源のつながり方」等を作っていくという将来的なプランの言及もあった。これがとても素晴らしいもので、単に「おうちで楽しめるコンテンツ」から、社会とつながる有機的なアート・コンテンツといえる展開はぜひ応援したい。
最後に持論として、ひとつ言いたいのはミュージアム(美術館)に実際に訪れる大切さである。オンラインの重要性と可能性はこの記事で書いたとおりだが、それは美術館に現実に足を運び作品の現物を観る、という体験に完全に代われるものではないということだ。鑑賞環境が整った場所で、アートの現物を観る、という体験も今後に大事にして欲しい。
アーバンデータチャレンジ2020全体イベント
「オープン・デジタルなまちづくりに向けたUDCの活動展開in北海道&Virtually 」
2020年11月14日(土)/ 室蘭市生涯学習センター・きら
https://www.youtube.com/OfficeUDC
Text by メディア・プランナー 石 川 伸 一 (NUMERO DEUX)
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