映画レビュー
「森崎書店の日々」(封切作品)
シアターキノにて。結論、主演の菊地亜希子が可愛い。可愛い。可愛い。可愛い。可愛い…歩いても可愛い。座っても可愛い。ふて寝でも可愛い。古本屋の店番なら僕はもうなにもいらない。これをあと100回ほど繰り返します。でも、やめます。まあ、なんか書くか。つまんない話でも。僕のゼミなしサークルなしの学生時代。よく北大近辺の古本屋めぐりをしていた。今よりずっと店舗があって、ちよっとした路地裏に小さな小さな古本屋がいくつかあって。中に入ると薄暗い湿っぽい店内。飾り気のなし。でも棚に並ぶ本の並び方は店主のセンスが鋭く光る。それはマニアックなDJのセレクトのよう。そう古本屋はクラブであり、レジはDJブース。それで、客はこの空間に並ぶ古本の背表紙に感銘を受ける…
おっ、なんかいい話だが、実はいいたいことは、さんざんは古本屋には行きましたが、菊地亜希子のようなお店番はいませんでした。いや、店番どころか、お客さんでもそんな方はまったくみたことがありません、というか女性をほとんどみたことがない。皆無。それがリアルです。今はいるのかなぁ。
本作では、お店の常連に奥さんに本捨てられる本ウンチクおじさんが登場するのだけど、そんな人はいた。いたいた。それはリアルだと思う。
さて、サブカルっぽい考察をしてみると、ついに「オシャレ映画」は神保町にも手を伸ばした訳だが、それだけでは、雰囲気映画のつまらない作品になっていたと思う。本作では、その点を最後のほうに主人公が「対決」するシーンがあって、これが凄くいい。これがなければ、本作はただのゆるゆるの「オシャレ」映画で終ってしまって、「なんだかなー」な感じなんだけど、その寒々としたシーンでひとつの主人公のドラマとしてピシッとした。そうそう、こういうのがないとダメなんだよなぁ。
キャストの書店長 内藤剛志はハマリ役。これも実際にはいなさそうなんだけど映画としてリアルだった。対して田中麗奈の文学部学生というのはやや謎かな。でも、主人公とのコントラストという部分ではいいと思う。主人公の表情で鏡で捉えたシーンがいくつかあって好きでした。あと、コインランドリーシーンで、なんとも女性のもやもやした心情が映画にウェットな感触を与えていたのは、後半の「対決」シーンにつながるいい伏線かな。
鏡を使った演出