REVIEW

DVD「ミッション・インポッシブル」

2006.04.30

少し前ケーブルでトム・ハンクスの俳優人生のドキュメントをやっていた。その中のエピソードで、ある作品でハンクスが一生懸命「役作り」をしても、「構図」のことばっかり考えていてソリのあわない監督がいたよ…という話があった、その監督とはブライアン・デ・パルマだった。

「あーありそう、ありそう」とソファで寝ながら僕は思った。この監督の作品はちよっと変わったシーンを撮るのに凄い力いれてるなぁ、と感じていた。スチール的にもキマるシーンを撮る。宣伝写真に困らない。

夕方、買物に行く、ポスフールでパックのお寿司などを買って、なんとなくCD屋に入ってみると、デ・パルマ監督の「ミッション・インポッシブル」があったので買った。1500円というロープライス商品だった。

帰宅して、食後にコーヒーと、アンドーナツを食べながら見る。封切り時には観た。もう11年前の作品だとはビックリ。感覚的には5~6年前だったのだけど。

TV映画人気シリーズの映画化というのは結構、難しい。リメイクだとなおさら。TVシリーズに忠実に作れば、ファンに「映画の意味がない」と言われそうだし、アレンジを入れると「これは違う」とかいわれそうだ。「スタートレック」など苦労している問題だ。

本作は、TVシリーズの形とは、番外編的な話なんだけど、部分と部分のピンポイントで、「TVシリーズらしさ」がよく出ているので、TVとは違うのだけど、違和感を感じさせない作りとなっている。

特に、オープニング・クレジットの前のファーストーシーンで、サラリと「ミッション・インポッシブル」の基本設定を説明しているのはうまい。これだけでTVシリーズを知らない人にも作品世界に入りやすくしている。

人物の描写はステロ・タイプで人物ドラマとしては、深みは感じられないけど、それはTVシリーズだってそうだったと思う。それより観どころはデ・パルマらしい、いろいろシーンへのこだわりが楽しい。ヨーロッパを舞台としてスサスペンスを加味したスパイ・アクションとして十分おもしろくて満足だ。ジャン・レノ、エマニュエル・ベアールという実にわかりやすいヨーロッパな人選もベタだけど好き。

一番好きなのは、大きな水槽のあるお店での会話シーン。このシーンの構図、カットの割り方凄く好きだなぁ。好きなシーンを何度も観たくなる作品だ。


COLUMN

CATEGORY

LATEST ENTRIES

ARCHIVES

website design by shie sato

SAPPORO ART & DESIGN MAGAZINE NUMERO DEUX 札幌 アート&デザインマガジン ニュメロデュー

copyright @ NUMERO DEUX allrights reserved.
top