安定のスピルバーグ作品。
迷ったらみてみて。
僕の世代だと、この監督といえば「E.T」「インディ・ジョーンズ」。SFやファンタジー作品の印象。でも近年では、SF作品等もありつつも、さまざまな作品を撮っている。もはや、特定のイメージを感じさせる監督ではない。もう、巨匠の感じですね。そつなく、良い作品をつくる。安定していて、でもさりげないシーンが凝っている。安定の監督魂をみせてくれる。本作は史実をベースに、東西冷戦下のスパイ交換の交渉をすることなった民間人弁護士(トム・ハンクス)の話。スパイ戦は男子むけの観る人を選ぶマニアック作品になりがち。ところが、本作ではごく普通の家族を持つ弁護士と、東側スパイとハンクスの友情ドラマが、本作を観るものを選ばずに楽しませてくれる。家族で楽しめる安定感、ということを考えるとスピルバーグは「E.T」の頃とまったく変わっていないかもしれない。80点。
▼ 石川 伸一(NUMERO DEUX)