前衛先のザナドゥ〜書道の「道」の文字。それに僕はワクワクする。書の道をどう歩いていくのか。固体の墨を硯で液体にしていく過程。あらわれる黒の液体。そこで何を想うのか。
覗き込めば自分の顔や光さえ、吸い込まれそうな墨の世界。見ているだけでワクワクから、落ち着く、そして再びワクワクする安定のループ。
書道の前衛性。筆というヨーロッパでは絵画を書く道具を使い、色は黒だけという美意識。このスタイルは、あらかじめ芸術となる運命ではなかったのか。
竹下青蘭を前衛と呼んではいけない気がした。なせなら、ここには最前線を超えた「向こう側」(だれも知らない)がある。
すべてを知ってしまった書画。だから、作品はすべて落ち着きが良い。自宅や店舗に大変馴染む。価格的にも日常で「アートを買う」という行為に優しく、ぜひじっくりみて検討して欲しい。無額装作品も販売されていて、僕はそれを購入した。額の無い分安い。掛け軸にしようと思ってる。
それにしても、エスキスの青の壁面に自然に馴染む竹下青蘭の書の作品群は、やはり前衛の強さかもしれない。
<展示情報>
「竹下青蘭 書の版画展 – 墨いろ宙(コスモス) -」
2020年10月29日 -11月24日 平日12:00-24:00(日祝21:00)
定休日:水曜 ※11.10(火)は臨時休業
入場料:無料(ただし、飲物等の注文必要)
CAFE ESQUISSE(カフェ エスキス)
(北1西23 1-1 メゾンドブーケ円山1F)
http://cafe-esquisse.net/
Text by メディア・プランナー 石 川 伸 一 (NUMERO DEUX)
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