REVIEW
キャスティング・ディレクター(1998・アメリカ)
業界人のひたすらぬるい生活を描いた作品。ハリウッド映画業界のドラマといえば、予想するのは激しい業界の争い、乱れ切った生活など、センセーショナルな展開。でも、本作はそんなものはまったくない。主人公はある程度成功はしている業界人のキャスティング・ディレクター、それに同僚、売れない俳優、売春婦、居着いた少女らが、主人公の家でドラッグや酒をやりながら「恋愛うまくいかないかなー」といったやたらこまかい話を延々とするだけ。仕事のシーンなどほとんどなし。売春婦や、居着いた少女もまったくお色気として機能していないのが、とっても良いし、そのあたりが本作のポイントだと思う。2時間以上観た後も「何だったのかなー」という感想なのだけど、不思議にダルい会話のシーンがまた観たくなる。2回目からはひとり自宅で、少々別のコトを考えながら観たりすと楽しそうな。ふと、感じたのは初心(うぶ)という感情はとっても大切なこと。